トップリーグの外国籍選手の扱いについて

共同通信のFreeman記者が、日本国籍を取得した海外出身選手のトップリーグ出場資格について記事を書いていますが、トップリーグの規定について論点がよく整理されていると思いました。

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具体的に言及されているのは、NTTコムのロス・アイザック、ヘンリー・ブラッキン、リコーのボーク・コリン雷神です。

彼らはいずれも日本国籍を取得済で、子供も日本の学校に通っており、生活の基盤は日本にあり、日本ラグビーに完全にコミットしています。そして、NZや豪州の代表歴(15人制、7人制)があるため、現状のトップリーグ規約では、日本国籍選手の扱いでは出場できません。

 

記事でも言及されていますが、この規定に関して妙なところは、2016年8月以前に他国の代表歴があって日本国籍を取得した選手は日本人扱いになったことです。

例として、記事でも紹介されているパナソニックのヒーナン・ダニエルや神戸製鋼のアンダーソン・フレイザー。彼らは現在も日本代表でプレーする資格を持っていません。

 

ルール変更直後のシーズンにおいては選手の契約上の問題もあるので、移行措置をとって選手の権利を守ることは十分理解できるのですが、その後も現在に至るまで同じ基準を使い続けていることが不公平すぎると感じていました。

彼ら2名のほかにも日本代表資格はないものの、日本人扱いでプレーしている選手は今シーズンもかなりいました。

 

記事では、特別枠選手についても言及されています。

他国の代表歴がなければ特別枠として起用できるわけですが、トップリーグと母国のスーパーラグビーチームを行き来していていたり、年齢的な問題だったりで、現実的には将来日本代表になる可能性がほぼないような選手も、代表歴がないという理由だけで特別枠で出場できていたわけです。

 

来るべき新リーグにおいては、この日本国籍取得済の選手や特別枠の運用を、誰もが納得できる透明性が高いものに変える必要があろうと思います。

 

完全なプロ化までは望めないまでも、現状の企業チームから脱却した、競争力のあるリーグを目指すのであれば、競争力の高い選手がより多く出場できるような規定が必要というのが、筆者の基本的なスタンスです。

一定の日本人枠(あるいはHomegrown Player)のような扱いは必要かもしれませんが、将来的な日本代表候補の育成は、競争力のある、魅力的なリーグをつくることと、別の軸で戦略を立てるべきことだと考えます。

 

新リーグの構想がより具体的になってきた段階で、色々な情報が出てくるでしょうから、その際にまた考えを記してみたいと思います。