トップリーグ2021 第1節 登録選手所感

本日開幕のTL2021、各チームの登録選手を見た感想を述べておきます。

 

トップリーグ2021リーグ戦 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 対 Honda HEAT 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

NTTコムは、新加入の海外出身選手では、6ギル、9レイドロー、10スミスがデビュー。

2020年新卒加入の石田もFBでデビューとなりそうです。

中堅以上のチーム歴が長い選手が多いので、安定した試合運びが期待できそうですが、レイドローのゲームコントロールがチームをどう活性化できるか、カンファレンス内の今後の順位争いを占ううえで見どころになりますね。

 

一方のHondaですが、選手のコンディションの問題なのか、特別枠はセブンズのオリンピックスコッドの規定で増枠されて、4枠使えるはずが余らせてきました。

FWは南アRWC代表の5モスタートを含めて強力な布陣ですが、BKは速さのある選手は多いものの守勢に回ったときにサイズが少々心許ない感はあります。
4中川はデビュー、15渡部も3年目ですがTLではデビューだそうです。
 
 
パナソニック、先発は直近でクボタと対戦したプレシーズンマッチと同じ15人で臨んできました。
現状考えるベストメンバーということでしょうね。
FWとCTBは海外出身選手中心で固めて、CTB以外のBKはサイズはなくても速くてボールスキルがある国産選手を配置する構成。そのBKがいずれも代表クラスというのがこのチームの強みですね。

リコーも直近のサントリーとのプレシーズンマッチとほぼ同じ15人です。
5と14に入っているロトアヘア兄弟と、リザーブに入った2015RWC日本代表のブロードハーストが日本国籍取得者で、サイズとパワーの点で優位に立てる布陣が可能なのがこのチームのポイント。
新加入の10ルーカスと15マッガーン、またこちらも新加入の元豪州代表13トマネあたりのアタックの連係が深まってくれば、面白い存在になりそうです。
経験値からパナソニックが有利かと思いますが、リコーが勝ってもそれほど驚きはありません。
 
 
クボタは南ア出身のルディケHCらしく、FWは厳ついメンバーを揃えてきました。世界最強HOの2マークス、RWC日本代表の7ラピース、4と5は南ア産LO。FWに南ア出身者が4名。このチームと対戦すると、どこのチームも体力的にしんどそうです。
特別枠の選手数が、オリンピックスコッドの特例を踏まえても多いのではないかと思いましたが、13テアウパは表記を見ると日本国籍を取得したようです。ラグマガの選手名鑑では特別枠で出ていましたが、その後に動きがあったんですかね。
22には早大出身の岸岡がデビューに向けてスタンバイ。彼が入るときには10フォーリーが下がって、おそらく13の位置にベンチスタートのクロッティが入ることになりそうです。
この豪華なBK陣の連係が深まれば、FWはトップクラスに強いだけに、どのチームにとっても脅威になります。

対するサニックスも、RWC日本代表の6ムーアや、サンウルブズでも活躍した選手もいて、FWは決して弱い布陣ではありませんが、クボタ相手にどれだけ身体を張り続けられるかが勝負のポイントでしょうね。
右と左の違いはありますが、3ライアン、リザーブに入ったアダムスのサイズの大きな両PRが攻守で頑張れるかが肝になりそうな気がします。
Hondaから移籍の14レメキは輝きを見せられるか、ベンチスタートの小野が古巣復帰戦で登場するかといった点も楽しみな要素です
 
 
トヨタの豪華外国籍選手の起用は、8リード、15ルルーの2名。新加入のRWC豪代表のフーパーはベンチスタートということになりました。
ルルーが途中で下がってリードとフーパーの共演というシーンが見られるのか。トヨタの首脳陣もこの点に世界的に注目が集まっていることもわかっていそうですので、試合展開に余裕が出てくればあえて実現させるような気もしますね。
先日TCLでのレフェリーデビューを果たしたSH滑川はこの試合はリザーブでスタンバイです。
 
一方の東芝トヨタのバックローに注目が集まることに対し、6リーチ、7トッドも心に期するものがあると思いますので、FWの主導権争いに注目したいですね。
後半にギアをあげることを想定してか、スターティングは特別枠は1つ余らせた布陣で来ました。リザーブにラベマイ、ストラトンといった良い選手が控えているので、ブラックアダーHCの采配も注目されます。
 
この試合のCTB、トヨタは12マレ・サウ、13ロブ・トンプソン、東芝が12ティム・ベイトマン、13セタ・タマニバル。全員NZ人ですが強力な組み合わせになりました。
 
 
神戸製鋼の共同キャプテンでもあるSH日和佐は故障のようでこの試合は出場せず。9に入った5年目の徳田はリーグ初出場のようで、経験不足は不安要素ですが、ほかのBK陣は豪華です。
新加入の14ベン・スミスが早速登場。一瞬のトライチャンスを見逃さない選手なので、ディフェンスは気を抜けません。
上記の2名以外は昨年から引き続きのメンバーなので、連係面も問題なく、盤石な態勢と言えそうです。

NECは新加入の10グッド、13ヤンセヴァンレンスバーグがリーグデビュー。
4の2020年新卒選手の山極もデビューです。相手のFWはTL最強クラスで、厳しいデビュー戦になりそうですが奮闘を期待します。
外国籍選手はイングランド代表21キャップのグッド、RWCサモア代表の8ラム、特別枠はヤンセヴァンレンスバーグのほか、5ジェフリーズ、12ネマニもSRのキャリアのある選手。日本人選手は経験値のある中堅・ベテランが中心で、3年ほど前であればなかなかのスコッドという印象だったと思いますが、今シーズンは局面局面でなかなか厳しそうだなというのが正直な感想。
TLも全体のレベルが上がったなという印象をあらためて持ちます。
 
 
キヤノンは、オリンピックスコッド枠で特別枠が4名使えますが、外国籍枠との合計6名を、FWとBK半々で使ってきました。
BKには11サウマキ、12ボンド、13クリエルといった強力なランナーがいますので、新主将の10田村が彼らをうまく活かせるか注目です。
 
NTTドコモのRWC出場の新加入選手として、9ペレナラは先発に入った一方、マピンピはリザーブにも名前がありません。
他のポジションとの兼ね合いによる判断なのでしょうが、FWは南ア出身の選手が4名で強力な布陣ではあるものの、BKのパンチ力は若干の不安がありますね。
 
ペレナラに対し、キヤノンの9田中が仕掛けるようなシーンもおそらくあるでしょうから、そういったところも注目です。
両チームの先発は、キヤノンが3名、NTTドコモが4名と、南ア色が濃い対戦です。
 
 
サントリーの10バレットのデビューに注目が集まる試合ですが、三菱重工の10スレイドも2011、2015のRWCチャンピオンのメンバー。NZ出身者が多いBK陣をどう操るか、期待したいところ。特に13リトル、15ヴァエガは爆発的なランがあるので楽しみです。
スターティングメンバーに日本国籍取得者が4名いて、馬力のあるチーム。サントリー相手はさすがに分が悪いと思いますが、このカンファレンスの台風の目になってもおかしくない地力はあります。
 
サントリーはそのバレット、大型ルーキー中野が14の位置でデビュー。2mを優に超える若い4ホッキングスのプレーにも注目です。
中野の早大の同期、齋藤もリザーブで控えています。
 
 
日野は二列目、三列目のサイズがあまりないチームですが、相手のヤマハもあまり大きくないチーム。初戦のFWの攻防でまずどう渡り合えるかが今後を占ううえで注目されますね。
3に新加入の南ア人ファンダーウエストハイゼンが入った以外は目新しさがない布陣。
正直なところ攻め手が限られているチームで、数少ないアタックの担い手だったFBのカカがこの試合はリザーブスタートで、その点がどう影響するかも気になるところです。
 
一方のヤマハ、今まで加入を発表していないと思いますが、5の新加入ヒュートレルがデビュー。20歳の豪州出身の選手。練習生としてチームに帯同していたのだと思いますが、情報公開もなくいきなり開幕戦で起用してくるのもどうかという気はします。
彼以外は昨シーズンも戦っているメンバーなので、安定した試合運びにはなると思います。
矢富兄弟は先発で共演となりました。