トップリーグ2021 第3節 全体所感

第3節は、8試合中半分が40点差以上のゲームという結果に。

スコアほどの実力差があったわけではないカードもあったと思うものの、ラグビーのリーグとしては残念ながらちょっと健全ではない感があります。

新リーグではチーム間戦力差を是正する取り組みがなされるとは思いますが、仮に現状の戦力そのままで移行するとなると、ディビジョン1はやはり8チームぐらいが妥当なのでは、ということになってきます。

現状の差を温存するとなると、スポーツエンタメとして欠陥があるし、代表の強化の場としても機能しそうにないということになります。

そうしたわけで、戦力均衡は新リーグにおける重要課題のはずですが、新リーグ準備室を巡る諸々の報道を見ていると、課題を解消する方向になるのか疑わしいんですよね。現状は見守るしかありませんが。

 

さて、全体の感想を簡単に。

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大味な試合が多くなったなかで、一番の見せ場はやはりペレナラ劇場でしょうね。

キッカーのSO川向が比較的イージーなキックをしっかりスコアしていれば、最後にあれ
ほど劇的な展開になっていないので、開幕節に引き続き、主演TJ、助演川向という感じがしますが。。キック以外の川向の調子は悪くないと思いますから、もう少し成功率を高めてほしいところです。

初登場のWTBマピンピは久々の実戦でまだ本調子ではないでしょうが、やはりサイドライン際で走ると存在感があります。
ドコモは今までは比較的戦力が近いと思われるチームとの対戦でしたが、次節はパナソニック戦で、この勢いを持続できるか注目です。

リコーは勝負どころでのミスやディシプリンの欠如が目立ちました。

神戸製鋼を除けば、残りの試合は戦略的には与しやすいと思われる相手が多いので、安定した試合運びができるかが勝点を伸ばす鍵になりますね。

 

クボタは、要所要所で加点するなど、安定感がある試合展開を見せています。近年戦力は充実していましたが、チームとして成熟してきた感があります。サントリートヨタといった実績的に上回るチームとの試合が残っていますが、プレーの精度を高めれば、勝利を収めてまったく不思議ではないですね。

NTTコムは、過去の試合もそうですが、不用意な失点がやや目立ちます。

CTBゲイツが復帰の試合で早速トライを取るなど、快足ぶりを見せました。やはり走
力のある選手がBKに加わると相手への驚異になります。外国人選手の枠の問題はありますが、一度FLギルとSHレイドローも含めて起用法をリセットしてみてもいい気がします。

 

NECはアタックはいいのですが、ディフェンスの精度を高めないとなかなか勝てません。59点取られて勝てる試合は残念ながらないですね。

ディフェンスの課題については、意識の部分もありますが、マンパワーによるところも大きいように思いますので、改善にも限界がありそうですが。

ヤマハは勝ってはいますが、特定選手への依存度が高いのが懸念されます。ヘルウヴェとクワッガ・スミスが離脱したら、どこのチームとやっても苦戦してしまいそうな気がします。

 

三菱重工はリトルの復帰待ちですかね。アタックの駒がやはり足りない感があります。
MAXのメンバー編成ができればそれなりに戦えるチームだと思いますが、選手層が薄いのは否めないところ。ただ、この試合は決めるべきところを決められていたら、スコアほどの差ではなかったと思います。

東芝はようやく勝ち星がつきました。
外国人選手の枠をFWとBKでどう配分するかが悩ましいチームで、上位相手にはちょっとパワーが足りないように思えてしまいますが、一つ勝てたので落ち着きは取り戻せるかもしれません。

 

 

 

サントリーはここまで好調ですが、アタックにおける一部選手への依存度が大きい気がするので、リーグ終盤に向けて、もう少しローテーションを試してもいいように思います。

サニックスは怪我人も多くてなかなか編成が難しいですが、ディフェンスの精度を高めないと勝利が遠そうです。

 

神戸製鋼は、起用メンバーはある程度固定化してきているとはいえ、ほかのチームよりは大きなスコッドで試合を消化していますね。それだけ選手層が厚いということです。

日野は毎試合ディフェンスで粘りは見せるのですが、スコアできる形がなかなか乏しいので、苦しいところです。

 

キヤノンは前半まではよかったんですが、後半離されました。序盤にスコアできていれば、もう少し違った展開もあったかもしれませんが。
初戦ドコモに負けたのは痛恨だったでしょうが、点差はともかくとして、神戸製鋼とパナに負けるのは想定内だったと思います。残りの試合は戦力的には比較的やりやすいところが多いですが、沢木新体制の真価が問われてきますね。

パナは今のところ厳しい試合を経験していないですが、次戦でドコモの勢いを止められるか。このチームは選手層が厚いようでいて、ポジショによってはそうでもないところもあるので、疲労や怪我にケアして、選手を回していけるかも鍵になります。WTB福岡がチームを卒業する前に、オプションを試しておきたいところですが、残りの試合数も少なくなってきたいま起用しないのもまた難しいでしょうね。

 

トヨタフーパーが初先発の試合でしたがフィットしていましたね。
これまではちーみうは比較的順調に来ていますが、シーズン後半の選手起用を考えると、特にBKはローテーションを試みた方がいいように思います。

Hondaは、今までディフェンスでFLスクーマンの貢献が大きかったので、彼の不在でちょっと影響が出ましたね。東芝と同じで外国人選手の枠をFWとBKでどう配分するかが悩ましいチームです。LOモスタートはバランスのよい選手ですが、際立ったパワーなどがあるわけではないので、このチームに以前在籍していたスナイマンの方が貢献度が高い気がします。