遅くなりましたが、第4節を振り返ります。
第4節は首都圏で行われる予定だった2試合、東芝・サントリー(@秩父宮)、NEC・日野(@柏の葉)は悪天候のため中止となり、翌週に変更となりました。今週末がバイウィークでよかったですが、次節以降にこのようなことがあったら、中止で引き分け扱いにするしかないでしょうね。
さて、先の2試合が中止になったので、13日(土)に開催されたのは、サニックス・トヨタの1試合のみ。
サニックスのホームで行われた試合でしたが、前半で勝敗がほぼ決まってしまう残念な試合になりました。
サニックスのディフェンスの規律の欠如から、トヨタがペナルティで前進し、ラインアウトからモールなどで簡単に得点、というエンタメとしてのラグビーを考えると、一番やってはいけない類の試合。風の影響で、なかなか自陣を脱出できない事情はあったにせよ、同じことの繰り返しでは、せっかくのホームのファンも白けてしまうでしょう。
トヨタも前半で大差がついたため集中が持続できなかった事情もあるかもしれませんが、後半はピリッとせず。これから強敵と対戦してくことを考えると不安を感じる展開でした。双方に課題が残りますね。
クボタは、そこまで万全の状態という感じはしませんが、順調に勝ち星は重ねています。万全の試合運びといかなくても勝つというのは地力がついた証拠とも言えますが、サントリー、トヨタあたりと当たったときに真価が問われそうです。
Hondaはスクラムは奮闘しましたが、スコアまでがやはり遠いですね。次のサニックス戦が一勝をかけた勝負となりそうです。
リコーは、ホームの駒沢だったということもあってか、非常に気迫が感じられた試合でした。
戦前の予想は神戸製鋼が有利でしたが、神戸製鋼の出来がよくなかったというよりは、リコーがよかったと言えると思います。
本職のHOからNo8に入ったファネルはどうかと思いましたが、さすがにクルセーダーズで数シーズンプレーしただけあって、ディフェンス時に存在感がありました。怪我人もいてベストメンバーというわけではないものの、このような戦い方ができれば、大崩れすることはなさそうですね。
神戸製鋼は、LOレタリックやCTBバックマンがさすがの仕事量でした。厳しい展開の試合でもきっちり勝つのが実力という感があります。
三菱重工は、開幕節で怪我をしたCTBリトルの復帰戦でしたが、やはり攻守に存在感を発揮しました。彼がボールを持つと、ディフェンスが引きつけられてWTBが自由に動きやすくなって、チャンスが生まれやすくなりますね。代表歴のない選手のなかでは、リーグでトップクラスの実力を持つ、魅力的な選手だと思いますので、このまま怪我なくシーズンをプレーしてほしいところです。
NTTコムは、序盤のHO山口の怪我によって玉突きの交代があって、リズムが崩れてそのまま試合が流れていってしまった感があります。トライを取り切る力はあると思いますが、何かチーム特色らしきものがなく、今一つピリッとしないまま、リーグが折り返し地点に来た、という気がしますね。
キヤノンは、4試合目にしてようやく沢木監督の志向するラグビーが実践されたという試合でした。自陣からでも継続してアタック、ペナルティをもらってもクイックでスタートと収支徹底していたことが結果に表れたと思います。FWは身体を張って頑張っていましたし、田村とFBに入った小倉のゲームの組み立ても機能していましたね。これからの上昇も期待できそうです。
ヤマハは、今シーズン唯一のヤマハスタジアムでの試合でしたが、順位争いのうえでも痛い白星となりました。スクラムは押せていましたが、ラインアウトをクリーンに確保できたシーンがほとんどなかった印象です。高さだけの問題ではないでしょうが、このチームは海外出身選手を多めに配置すると、FWのサイズがどうしても足りなくなるところは否めません。かといって、BKで海外出身選手の割合を減らすと。。ヘルウヴェとクワッガ・スミスはフル回転してもらうしかなさそうです。
この調子では残りの神戸製鋼・ドコモ・パナの3連戦を全部落としても不思議ではない状況ですので、試合がない期間を活用して立て直すしかありませんね。
NTTドコモとパナソニックの対戦は、比較的相手に恵まれて3連勝だったドコモが強敵を迎えてどのような試合を見せるかという一戦でしたが、ドコモの地力が想像以上についていたと見るべきでしょうね。不用意な失点と、終盤にペナルティが増えたシーンはあったものの、終盤まで五分に渡り合って着実な成長を感じさせました。
外国人選手のグレードは昨年より上がっているかもしれませんが、ほとんどの選手は同じ顔ぶれの社員選手ですので、有能な指揮官とリーダーシップを持った選手が加わることで、こんなにもチームが変わるのかと思い知らされます。強豪相手に勝ちに行くには、どうにかやりくりしてWTBマピンピを起用するべきでしょうね。
パナは、隙を見逃さずに少ない手数でスコアしたのはさすがでしたが、FWには疲労感もあって、あまり余力はない状況だったのではないかと思います。医学部進学が間近のWTB福岡はやはり存在感を見せましたが、普通に考えれば進学後はゲームに出ないでしょうから、プレーオフでのパナはパンチがちょっと足りなくなる気はします。