2021年度男子日本代表候補発表

日本ラグビーフットボール協会は4月12日、2021年度男子日本代表候補選手52名を発表しました。

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合宿とスコットランド遠征に臨む35名の最終スコッドは、5月のTL決勝が終わってから発表する予定とのことです。それだったら終わってから発表してもよさそうなものですが、プレーオフに注目を集めるための施策なんでしょうね。

今回選考されていない選手への個別のコメントとしては、HO堀江(パナ)、SH流(サントリー)はコンディション不良での辞退、SO山沢、WTB竹山(パナ)、WTB高橋(トヨタ)はチームコンセプトと合わない、ということのようです。

ラグビーライター向風見也氏の記事で選考に関するそのあたりの事情は詳しく語られています。

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NZにいるジョセフHCがどこまでTLの試合をウォッチしているかはわかりませんが、準備期間も足りないため当初は2019年WCスコッドを大部分踏襲するだろうと思われていましたので、今回注目すべきは海外出身の、居住資格が3年から5年に変わる移行期間での駆け込み需要的なメンバーでしょうね。

向氏の記事によると、今回選考された海外出身選手は居住資格については協会は確認できているとのこと。コロナ禍で一時帰国したことで基準を満たさず、呼べなかった選手も複数いるようです。

 

母国でSRを経験したレベルで代表基準を満たすような選手は今回呼ばれた面子でほぼ打ち止めなのでしょう。

日本人選手、また日本の大学を卒業した海外出身選手は今後の活躍次第で入ってくることはあるでしょうが、ジョセフHCは国内での実績をあまり重視しないので、来るべき新リーグでよほど際立った活躍を見せる必要があるでしょうね。

 

こういう点で、若手の鍛錬、選考の場としてのSRがなくなったのは、やはりジャパンにとっては痛いところです。数が限られた貴重なテストマッチの試合をお試しの場にはしづらいので、経験がない選手を登用することには慎重にならざるをえないでしょうね。

 

2023年には30歳を超えるPRミラー(パナ)、LOアボットサニックス)、モリ(日野)、FBファンデンヒーファー(クボタ)。いずれも母国でもSRのプレーを経験した、元サンウルブズの選手です。

モリ以外は、現代表のコーチングチームが率いていた2018、2019年シーズンのサンウルブズでプレーしているので、戦術へのフィットは早いと思います。決して若くないこれらの選手たちを候補に入れたということは、できれば経験値を活かしてチームの核になってほしいという気持ちがある気がします。一方で今回は準備期間が短いので実力を読みやすい選手を入れているという見方もできますが。

 

海外出身選手の加入によるチームの底上げは予想よりも小規模になってしまいそうですが、このメンバーをベースに強化していくしかありませんね。