TL最終シーズンのチャンピオンは、パナソニックワイルドナイツとなりました。
最終スコアは5点差。接戦と言えばそうですが、時間の大部分はパナソニックの思惑通りという試合だったような気がします。
最大20点差を5点まで追い込んだサントリーの地力もさすがでしたが、サントリーの勝ちパターンの試合ではありませんでしたね。
解説の村上さんは、「気負い」と表現していましたが、パナのディフェンスの圧力を感じていた面もあったとは思うものの、サントリーのアタックにはちょっと焦りが感じられました。
パナの最初の得点だった、CTBライリーのインターセプトからのトライに象徴されますが、サントリーはロングパスやキックパスなど一発で局面を変えられるようなビッグプレーを選択して空回りすることが多かったように思います。
TV越しに観戦している分には、もっと着実にポイントをつくって攻めればよさそうに感じたシーンも多かったですが、実際にプレーしている選手が感じる圧力は別物だったのでしょうね。
比較的(彼にしては)イージーなキックを外していたように、SOバレットにとっても最高の日というわけではありませんでした。WTBテビタ・リーやCTBサム・ケレビが怪我で不在だった事情もあるでしょうが、バレットがボールキャリーで突貫しないといけないシーンが多かったのはいかにも苦しかったように思います。
パナは最初のトライをうまく取り切れたことで、気持ちが楽になった部分はあったと思います。
ペナルティを要所でもらって、得点を重ねっていった展開にはチームの熟練度を感じさせました。
派手さはないものの着実に自らの役割を遂行していたLOクルーズやCTBパークスの存在感はさすがでしたね。
サントリーにとっては、持てるものをすべて出し切ったという試合ではなかったでしょうが、最後あわや逆転という局面をつくり出したことは称えられるべきでしょうね。
パナはTL最後の試合でも、存分にディーンズHCが築き上げてきた「らしさ」を見せつけました。
近年のジャパンにも多くの代表選手を輩出してきた両チームによる、TL最後のファイナルにふさわしいゲームだったと思います。