新リーグ・JRLOでは、少なくともフェーズ1の3年間はディビジョン間の昇降格があるレギュレーションとなっているので、ディビジョン2の6チームはとりあえずは皆がディビジョン1への昇格を目指すということになります。建前としては。
あくまで現有戦力という話ですが、2021年をTLで戦ったホンダ、日野、三菱重工と、TCLではトップクラスの戦力を持っていた近鉄の4チームはかなり拮抗したレベルになっているように思います。
ちょっと離れてTCLで5位だった釜石、さらに離れてTCLで8位だったマツダという位置づけになります。
ディビジョン2以下は、正直なところ目指すところが1よりも同床異夢な感が強いので、同じように昇格を目指すのか不明なような気もしますが、皆が3位以内でのフィニッシュを目指す前提で現有戦力を観察してみます。
マツダ以外は新加入選手の発表を済ませているので、ある程度補強は完了したという見方はできますね。ディビジョン2は1より試合数も少ないので、人数もややコンパクトな陣容にはなると思います。
三重ホンダヒート
【補強ポジション】 HO / FL・No8 / CTB
OUT | IN | ||
ポジション | 氏名 | ポジション | 氏名 |
PR | 具 智元 | PR | 日比野 壮大 |
HO | 川俣 晃人 | HO | 西澤 将太 |
HO | 藤浪 輝人 | ||
HO | 呉 季依典 | ||
CTB | ショーン・トレビー | ||
CTB | 具 智允 |
他チームと比べて出入りは比較的少なかったですが、新加入については退団で抜けた戦力の最低限の手当はしたような印象です。
ただ、HOは現状2名なのでさすがにそれだけというわけにはいかないでしょうね。
上位を争うと思われる日野、三菱重工、近鉄は、日本人選手として起用できる海外出身選手が3名以上はいるのが特徴ですが、ホンダにはそういう選手がおそらくいません。
一方、国産選手のサイズはほかよりも恵まれている感はありますが、3位以内を目指すには、二列目・三列目、CTBあたりに馬力のある海外出身選手を足した方がよいような気はします。
日野レッドドルフィンズ
【補強ポジション】 LO / FL・No8
OUT | IN | ||
ポジション | 氏名 | ポジション | 氏名 |
PR | 村上 玲央 | LO | 廣田 耀規 |
PR | 長野 正和 | SH | 田中 元珠 |
PR | 石橋 尚也 | WTB | ジョセファ・リリダム |
HO | 崩 光瑠 | ||
HO | 小野 貴久 | ||
LO | 北川 俊澄 | ||
FL | 藤田 哲啓 | ||
No8 | ニリ・ラトゥ | ||
No8 | 新井 信善 | ||
SH | 田川 明洋 | ||
CTB | 林 泰基 | ||
WTB | 竹澤 正祥 | ||
WTB | 中園 真司 |
退団した選手は2021年シーズンの主力と言える選手はそれほど多くないですが、現状-13名、+3名なので、現状はかなりコンパクトな陣容になっています。
主力の大部分は残っていて、ディビジョン2は試合数も限られているので現状でも何とかなるような気もしますが、二列目と三列目は力でゲインできるような戦力が不足している感があり、パワーのある海外出身選手を加える必要があるように思います。
【補強ポジション】 CTB / FB
OUT | IN | ||
ポジション | 氏名 | ポジション | 氏名 |
PR | 成 昂徳 | PR | 石井 智亮 |
PR | 李 城鏞 | PR | 相原 汰郎 |
PR | タウマファイ 竜 | LO | サム・チョンキット |
FL | 比果 義稀 | FL | 佐藤 弘樹 |
FL | トーマス優デーリックデニイ | FL | 鶴谷 昌隆 |
FL/No8 | 土屋 樹生 | SH | 岩村 昂太 |
SH | 西舘 健太 | WTB | タウモハパイ ホネティ |
SH | 比屋根 裕樹 | ||
SO | ジェームス・ウィルソン | ||
CTB | 田畑 万併 | ||
CTB/WTB | レポロ テビタ | ||
WTB | 中濱 寛造 | ||
FB | 井口 剛志 |
退団・入団については、ベテランが多かったチームの新陳代謝というような趣もあります。
各ポジションは、ディビジョン2のチームとしてはそれなりに層が厚く、バランスもとれていると思いますので、そのままでもよいような気はします。ただ、2021年シーズンはCTBリトルが不在のときのアタックに難があったため、贅沢をいうとキリはないかもしれませんが、BKのCTB、FBあたりにハイレベルな選手が欲しいのは確かだと思います。
花園近鉄ライナーズ
【補強ポジション】 SO
OUT | IN | ||
ポジション | 氏名 | ポジション | 氏名 |
PR | 長江 有祐 | PR | 佐々木 駿 |
PR | 石井 智亮 | LO | パトリック・タファ |
HO | 高島 卓久馬 | LO | サム・トムソン |
HO | 中村 彰 | SH | 人羅 奎太郎 |
LO | 山口 浩平 | ||
LO | マイケル・ストーバーク | ||
LO/FL | ミロ デビッド | ||
FL | 萩原 寿哉 | ||
FL/No8 | 田淵 慎理 | ||
SH | ライアン・ローレンス | ||
SH | 住吉 藍好 | ||
SO/FB | 正面 健司 | ||
CTB | タウモエペアウ シリベヌシィ | ||
CTB | パスカル・ダン | ||
FB | アンドリース・クッツェー |
・IN 9月2日 PRレイルアマーフィー、HOアルファネスタ、FL横井
15名という大規模な退団数ですが、昨シーズン明確に主力だったといえるのはLOストーバークぐらいで、そのポジションにはTLで1シーズン経験した海外出身選手2名を加えているため、ある程度のカバーはできるように感じます。
セブンズに専念していたセルジョセとトゥキリロテが戻ってくると思いますので、日本国籍を持った彼らが加わればサイズ、パワーの面で起用方法は楽になるのではないかと。
ディビジョン2のチームにみられる傾向ですが、海外出身選手と国産選手のサイズ差が大きいことが多く、特にこのチームは社員選手はサイズに恵まれていない人が多いです。こうした選手は過去のプレータイムも少ない傾向があり、来シーズン以降も踏まえて、積極的に起用して選手層を厚くする必要があるように思います。
ハーフバック団もSHゲニアとSOクーパーに頼りすぎだったので、二人が不在のときも考えて、特にSOはオプションが必要でしょうね。
【補強ポジション】 FL・No8 / CTB / WTB
OUT | IN | ||
ポジション | 氏名 | ポジション | 氏名 |
PR | 佐々木 和樹 | SH | 村上 陽平 |
PR | 吉原 陸飛 | SO | ブレット・キャメロン |
FL | 佐々木 拓磨 | ||
SH | 金子 峻大 | ||
SH | 前川 紘 | ||
SO | オリバー・ポルソン | ||
CTB | 伊藤 優駿 | ||
UTB | サム・マルコム |
母体企業がないチームで、予算に限りもあるでしょうから、前述の4チームより選手層が薄いのは致し方ありません。
こちらも贅沢をいうとキリはありませんが、3位以内を目指すのであれば、特にバックロー、CTB、WTBに1枚ずつぐらいクオリティの高い選手を加えたいところです。特にこのままでは得点力不足に苦しみそうですので、BKの強化は必要でしょうね。
【補強ポジション】 全体
OUT | IN | ||
ポジション | 氏名 | ポジション | 氏名 |
PR | 大木 丈典 | ||
No8 | テビタ・コロアマタンギ | ||
No8 | リチャード・スケルトン | ||
SO | サム・クリスティー |
申し訳ないですが、社員選手のクオリティという意味でいえば、ディビジョン3のなかでも上位とはいえません。そして、海外出身選手もキャリアがハイレベルといえる選手はいませんでしたが昨シーズンは5名在籍していてTCLで8位。下にいたのはすべて国産選手の中国電力だけでした。ちなみに、その上の順位の九州電力は3名でした(こちらの海外出身選手はSRの経験があるなど、マツダの選手よりはキャリアが上でしたが)。
というわけで、現状はかなり心配で、現有戦力では100点ゲームが出ないか心配になるほど上位候補のチームとは戦力差がありそうです。
前にも書きましたが、傍から見てディビジョン2に入ったことが不思議なチームです。外部に情報が出ていないだけで、日本人プロ選手の積極活用など、ディビジョン3に振り分けられたチームとの比較において審査が高得点になる要素があったのかもしれません。
そうであればこれからの補強が期待できるのかもしれませんが、そうでなければ戦力の均衡というスポーツのエンタテイメント性における重要要素が大きく毀損されるような事態になります。
ディビジョン3は情報があまり出てこないチームが多いので、もう少し変化が出てきたらコメントしてみたいと思います。