ディビジョン2 現有戦力分析

新リーグ・JRLOでは、少なくともフェーズ1の3年間はディビジョン間の昇降格があるレギュレーションとなっているので、ディビジョン2の6チームはとりあえずは皆がディビジョン1への昇格を目指すということになります。建前としては。

 

あくまで現有戦力という話ですが、2021年をTLで戦ったホンダ、日野、三菱重工と、TCLではトップクラスの戦力を持っていた近鉄の4チームはかなり拮抗したレベルになっているように思います。

ちょっと離れてTCLで5位だった釜石、さらに離れてTCLで8位だったマツダという位置づけになります。

ディビジョン2以下は、正直なところ目指すところが1よりも同床異夢な感が強いので、同じように昇格を目指すのか不明なような気もしますが、皆が3位以内でのフィニッシュを目指す前提で現有戦力を観察してみます。

マツダ以外は新加入選手の発表を済ませているので、ある程度補強は完了したという見方はできますね。ディビジョン2は1より試合数も少ないので、人数もややコンパクトな陣容にはなると思います。

 

三重ホンダヒート

【補強ポジション】 HO / FL・No8 / CTB

OUT IN
ポジション 氏名 ポジション 氏名
PR 具 智元 PR 日比野 壮大
HO 川俣 晃人 HO 西澤 将太
HO 藤浪 輝人    
HO 呉 季依典    
CTB ショーン・トレビー    
CTB 具 智允    

IN  9月1日 HO肥爪、CTBケラーマン

IN  9月13日 HO白濱、SOランス

 

他チームと比べて出入りは比較的少なかったですが、新加入については退団で抜けた戦力の最低限の手当はしたような印象です。

ただ、HOは現状2名なのでさすがにそれだけというわけにはいかないでしょうね。

上位を争うと思われる日野、三菱重工近鉄は、日本人選手として起用できる海外出身選手が3名以上はいるのが特徴ですが、ホンダにはそういう選手がおそらくいません。

一方、国産選手のサイズはほかよりも恵まれている感はありますが、3位以内を目指すには、二列目・三列目、CTBあたりに馬力のある海外出身選手を足した方がよいような気はします。

 

日野レッドドルフィンズ

【補強ポジション】 LO / FL・No8

OUT IN
ポジション 氏名 ポジション 氏名
PR 村上 玲央 LO 廣田 耀規
PR 長野 正和 SH 田中 元珠
PR 石橋 尚也 WTB ジョセファ・リリダム
HO 崩 光瑠    
HO 小野 貴久    
LO 北川 俊澄    
FL 藤田 哲啓    
No8 ニリ・ラトゥ    
No8 新井 信善     
SH 田川 明洋    
CTB 林 泰基    
WTB 竹澤 正祥    
WTB 中園 真司    

OUT  9月1日  LOモリ

IN  10月1日 PR山崎、CTBファイアネ

 

退団した選手は2021年シーズンの主力と言える選手はそれほど多くないですが、現状-13名、+3名なので、現状はかなりコンパクトな陣容になっています。

主力の大部分は残っていて、ディビジョン2は試合数も限られているので現状でも何とかなるような気もしますが、二列目と三列目は力でゲインできるような戦力が不足している感があり、パワーのある海外出身選手を加える必要があるように思います。

 

三菱重工相模原ダイナボアーズ

【補強ポジション】 CTB / FB

OUT IN
ポジション 氏名 ポジション 氏名
PR 成   昂徳 PR 石井 智亮
PR 李   城鏞 PR 相原   汰郎
PR タウマファイ 竜 LO サム・チョンキット
FL 比果 義稀 FL 佐藤 弘樹
FL トーマス優デーリックデニイ FL 鶴谷 昌隆
FL/No8 土屋 樹生 SH 岩村 昂太
SH 西舘 健太 WTB タウモハパイ ホネティ
SH 比屋根 裕樹    
SO ジェームス・ウィルソン    
CTB 田畑 万併    
CTB/WTB レポロ テビタ    
WTB 中濱 寛造    
FB 井口 剛志    

IN  9月2日 FLネル

OUT  10月14日 PRブイ

IN  HO 相良

 

退団・入団については、ベテランが多かったチームの新陳代謝というような趣もあります。

各ポジションは、ディビジョン2のチームとしてはそれなりに層が厚く、バランスもとれていると思いますので、そのままでもよいような気はします。ただ、2021年シーズンはCTBリトルが不在のときのアタックに難があったため、贅沢をいうとキリはないかもしれませんが、BKのCTB、FBあたりにハイレベルな選手が欲しいのは確かだと思います。

 

花園近鉄ライナーズ

【補強ポジション】 SO

OUT IN
ポジション 氏名 ポジション 氏名
PR 長江   有祐 PR 佐々木   駿
PR 石井   智亮 LO パトリック・タファ 
HO 高島   卓久馬 LO サム・トムソン
HO 中村   彰 SH 人羅   奎太郎
LO 山口   浩平    
LO マイケル・ストーバーク    
LO/FL ミロ デビッド    
FL 萩原   寿哉    
FL/No8 田淵   慎理    
SH ライアン・ローレンス    
SH 住吉   藍好    
SO/FB 正面   健司    
CTB タウモエペアウ シリベヌシィ  
CTB パスカル・ダン    
FB アンドリース・クッツェー  

IN  9月2日 PRレイルアマーフィー、HOアルファネスタ、FL横井

OUT  9月30日 No8ファカオシレオ

 

15名という大規模な退団数ですが、昨シーズン明確に主力だったといえるのはLOストーバークぐらいで、そのポジションにはTLで1シーズン経験した海外出身選手2名を加えているため、ある程度のカバーはできるように感じます。

セブンズに専念していたセルジョセとトゥキリロテが戻ってくると思いますので、日本国籍を持った彼らが加わればサイズ、パワーの面で起用方法は楽になるのではないかと。

ディビジョン2のチームにみられる傾向ですが、海外出身選手と国産選手のサイズ差が大きいことが多く、特にこのチームは社員選手はサイズに恵まれていない人が多いです。こうした選手は過去のプレータイムも少ない傾向があり、来シーズン以降も踏まえて、積極的に起用して選手層を厚くする必要があるように思います。

ハーフバック団もSHゲニアとSOクーパーに頼りすぎだったので、二人が不在のときも考えて、特にSOはオプションが必要でしょうね。

 

釜石シーウェイブスRFC

【補強ポジション】 FL・No8 / CTB / WTB

OUT IN
ポジション 氏名 ポジション 氏名
PR 佐々木   和樹 SH 村上  陽平
PR 吉原   陸飛 SO ブレット・キャメロン
FL 佐々木   拓磨    
SH 金子   峻大    
SH 前川   紘    
SO オリバー・ポルソン    
CTB 伊藤   優駿    
UTB サム・マルコム    

 

母体企業がないチームで、予算に限りもあるでしょうから、前述の4チームより選手層が薄いのは致し方ありません。

こちらも贅沢をいうとキリはありませんが、3位以内を目指すのであれば、特にバックロー、CTB、WTBに1枚ずつぐらいクオリティの高い選手を加えたいところです。特にこのままでは得点力不足に苦しみそうですので、BKの強化は必要でしょうね。

 

マツダスカイアクティブズ広島

【補強ポジション】 全体

OUT IN
ポジション 氏名 ポジション 氏名
PR 大木   丈典    
No8 テビタ・コロアマタンギ    
No8 リチャード・スケルト    
SO サム・クリスティー    

 

申し訳ないですが、社員選手のクオリティという意味でいえば、ディビジョン3のなかでも上位とはいえません。そして、海外出身選手もキャリアがハイレベルといえる選手はいませんでしたが昨シーズンは5名在籍していてTCLで8位。下にいたのはすべて国産選手の中国電力だけでした。ちなみに、その上の順位の九州電力は3名でした(こちらの海外出身選手はSRの経験があるなど、マツダの選手よりはキャリアが上でしたが)。

というわけで、現状はかなり心配で、現有戦力では100点ゲームが出ないか心配になるほど上位候補のチームとは戦力差がありそうです。

前にも書きましたが、傍から見てディビジョン2に入ったことが不思議なチームです。外部に情報が出ていないだけで、日本人プロ選手の積極活用など、ディビジョン3に振り分けられたチームとの比較において審査が高得点になる要素があったのかもしれません。

そうであればこれからの補強が期待できるのかもしれませんが、そうでなければ戦力の均衡というスポーツのエンタテイメント性における重要要素が大きく毀損されるような事態になります。

 

ディビジョン3は情報があまり出てこないチームが多いので、もう少し変化が出てきたらコメントしてみたいと思います。