ポルトガル戦 試合所感

11月13日にポルトガルコインブラで行われたポルトガル戦は、38対25で日本代表が勝利しました。

 

最後のFB山中のインターセプトからのトライで、スコア的には格好がつきましたが、その直前のポルトガルのゴール前スクラムの展開次第では勝敗が逆になってもおかしくない試合でした。

 

同じ週末にダブリンで行われたアイルランドニュージーランドあたりと比べると、双方ミスやペナルティも目立ち、どっぷりティア2のゲームという感じではあります。

 

主にディフェンスのときに反則が重なったのがジャパンの苦戦の要因ですが、秋のテストマッチ3試合で試合の度に同じように反則を重ねて自分たちからゲームの流れを手放しているので、個人が注意すれば改善できるという話でもないような気はします。

 

ジャパンの選手にとって、国際基準のレフェリングのもとでの試合経験が少ないのが課題です。

 

テストマッチの数が少ないのもそうですが、国内リーグの試合数も少ないうえに国内のレフェリングが国際基準から大きく乖離しているように思える点に問題があります。

ブレイクダウンの攻防や危険行為など、かなり緩い基準の笛に普段の試合で慣れているから、たまの国際試合で戸惑うのではないでしょうかね。

 

もちろん国内でもジャッジの基準については研究されていると思いますが、テストマッチの数が簡単には増やせず、SRなどの国際リーグに本格参入できそうもない現状を考えると、リーグワンの笛のレベルを国際基準にあわせていくしかないので、リーグのレフェリーチームの皆さんはシーズン開幕までに秋のテストマッチのレフェリングの傾向をよく検証してほしいですね。

ルールが度々変わって大変ですが、ルールの解釈がきわめて重要な競技である以上、国際競争力を持つには海外の潮流に付いていくしかありません。

 

また、キックでボールを手放したとき、チェイスが中途半端で相手へのプレゼントになっていることが多いので、現状のキック精度では多用しない方がよさそうですが、相手のディフェンスの強度が上がったときにボールを展開させるラグビーができるかというと、ここ3試合の接点の出来を見る限りなかなか厳しそうな感じはします。

このあたりもリーグワンのゲームの強度を上げていくしかないですかね。

 

さて、本年のテストマッチは次戦のスコットランド戦で終わりです。

スコットランドアイルランドと同様、展開するラグビーをより志向していて、今までとは一味違うように思われますので、よりプレーの精度を意識して臨んでほしいと思います。