リーグワン2022 第1節 登録選手所感

リーグワン2022年シーズンの開幕が迫ってきました。

本日1月7日に行われる予定だったオープニングマッチは既報のとおり、ワイルドナイツ新型コロナウイルス陽性者が複数出た関係で試合は中止となり、対戦相手のスピアーズに勝点5が与えられました。

ジャパンラグビー リーグワン2022 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs 埼玉ワイルドナイツ 開催中止のお知らせ | JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(リーグワン)公式サイト



先日のグリーンロケッツの選手の薬物所持に続き、ラグビーのプレーの質と関係のないところでケチがつくのが残念なところであります。
試合の興行権を各チームに渡す運用にした以上、選手を揃えられなかった(試合を成立させられなかった)側が罰せられる形の処置は個人的には理解できます。

さて、残りの試合は予定どおり行われるとのことで、試合メンバーも発表されています。
一斉検査により、全24チームの選手・スタッフで31名の陽性者が出たということですので、メンバー選考にも少なからず影響があるのでしょう。

ディビジョン3まで含めると試合が多くなり、全体をどこまでカバーできるかわかりませんが、少なくとも序盤に関しては登録選手の感想を述べていきたいと思います。

カテゴリA(日本代表実績あり/資格あり)の扱いを中心に見ていきます。
この扱いについては選手登録の状況から、想像で書いている点があるのでご了承ください。

スティーラーズvsシャイニングアークス

7日のオープニングマッチが中止になったことで、開始時間の兼ね合いでこの試合がリーグ最初のゲームということになりました。

スティーラーズのカテゴリA以外の先発選手は、LO張とシカリング、SOクルーデン、CTBバックマンの4名。
これを見る限り、No8マッカラン帝京大OB)はおそらく居住資格を満たして代表資格ありということなのでしょうね。
また、14のアンダーソンフレイザー日本国籍をもっていますが、トンガ代表歴ももっているので、どのような扱いになるか気になっていましたが、登録状況からすると日本人選手扱い。他国の代表歴をもっていても、日本国籍をもつ選手は従来どおり日本人扱いという運用なのでしょう。おそらく。

一方のシャイニングアークスのカテゴリA以外の先発選手は、5トゥポウ、8ギル、10ブラック、15フォラウ。
いずれも経験値が高い選手ですが、6ムーア、13ゲイツの日本代表経験者がいるとメンバー構成がしやすくなりますね。
SOとFBが新加入選手なので、連係面の成熟が進むシーズン後半にこのチームはチーム力を上げてくるような気がします。
ユーティリティのセブンズ日本代表経験者のヘンリーブラッキンがリザーブにいるとHCとしても安心でしょうね。


サンゴリアスvsブレイブルーパス

東京スタジアムでの府中ダービー

サンゴリアスのカテゴリA以外の先発選手は、5ホッキングス、8マクマーン、13ケレビ、15マッケンジー
練習試合でも試していましたが、バックローが本職のツイヘンドリックがLOに入ります。ホッキングス以外のFWは高さがあまりないのが少々気になります。
合流からそれほど時間が経っていないマッケンジーはまだ慣らし運転という感じだとは思いますが、わずかな隙をついてビッグゲインというシーンはつくりそうな気はしますね。

ブレイブルーパスは、5ピアス、7トッド、10テイラー、13タマニバルの4名。全員NZ人かつピアス以外はオールブラックス経験者です。
4ディアンズは先日日本代表キャップも獲得しましたが、もともと日本で義務教育を修了しているため日本人扱い。14ナイカブラはセブンズ代表の経験がありますね。
3小鍛治と15松永は、昨年の天理大学の大学選手権優勝メンバー。松永はSOが本職だと思いますが、FBでの起用はやや意外な感がします。ゲームセンスが買われているのかもしれません。

ブレイブルーパスのバックロー3名はサイズがそこまでではないですが、LOは2mのコンビ。新リーグの選手起用の規定を考えると、FWのサイズ、パワーはTL時代よりレベルが上がりそうですので、この試合のFWの争いの行方でサンゴリアスの今シーズンが占えそうな感じはします。


グリーンロケッツvsイーグルス

不祥事から頭を切り替えて、いいスタートを切りたいグリーンロケッツ

5ボール、6ダグラス、12シバサキ、15マーシャルがカテゴリA以外の先発メンバー。
8マシヴォワは先日セブンズ代表デビュー。10レメキ、13ベネットは15人制の代表経験者ですね。レメキのSO起用は先日の練習試合でも試していました。ある程度機能したという判断なのでしょうが、彼の突破力を活かすという戦術が功を奏するか、今後も見据えて注目ポイントですね。
リザーブはBKが2名だけ。20新井はHOが本職だと思いますが、HOのリザーブには元マオリオールブラックスで経験値が高いアッシュ・ディクソンも入っています。別の起用方法があるのでしょうか。

一方のイーグルスは、日本国籍保持者の4サウマキアマナキ、日本代表経験者の8アマナキ・レレイ・マフィがいますが、カテゴリA以外の先発は、5ヒル、6ファンダイクだけ。
そもそも、ほかのチームと比べて15名のなかに海外出身選手が少ないですね。個々の選手のコンディションの状況はわかりませんが、沢木HCはおそらく意図的にそうしたように思います。特にBKは和製選手だけで軽量級になっている感はあるため、このあたりが試合の展開にどう影響するか注目されます。

両チームの5番はウェールズ代表経験者。本人たちは日本で対戦することは予想していなかったかもしれませんが楽しみではあるでしょうね。


レッドハリケーンズvsブラックラムズ

 

レッドハリケーンズのカテゴリA以外の先発選手は、2マレー、6ポール、10ヤンチースの3名かと思います。

キャプテンのLOエラスマスは不在ですが、キャプテンは普通であれば開幕節は出場すると思うので、おそらくコンディション不良なのでしょうね。
11スルンガは先日セブンズで代表デビュー。8ナエアタ、12パエア、14リサラは日本国籍保有者ですね。
ベストメンバーとは言えないかもしれませんが、新加入の10ヤンチースからの仕掛けが機能すればパンチがあるアタックができそうです。

ブラックラムズは、5レエスアス、6カーワン、10アイザック・ルーカス、15マッガーンがカテゴリA以外の選手。
東京五輪にセブンズ日本代表で出場した8ボークコリン雷神は晴れて日本人選手として出場、ということかと思います。
初戦なので今後は何とも言えませんが、ブラックラムズフロントローはかなり若くなった印象がありますね。


ヴェルブリッツvsブルーレヴズ

ヴェルブリッツは、4アラダイス、5トゥイプロトゥ、10クロニエ、13ローレンスがカテゴリA以外で先発。
12マレ・サウ、15トゥポウのWC経験者がスコッドに厚みをもたせている感じはします。
日本国籍取得者も多いので、全体にパワーに恵まれた選手構成です。

ブルーレヴズは、8ナイサラニ、11ツイタマ、12タヒトゥア、15グリーンの4名。
残りは台湾出身のPR郭を除いて全員日本出身の選手ですね。
ワラビーズNo8ナイサラニを除けば、FWはサイズが不足しているので、FWの攻防でどこまで頑張れるかが鍵になります。BKのリザーブが2名だけなのもFWの奮闘が重要だと考えているのでしょう。
ヴェルブリッツはリーグ全体で見てもFWは強力な部類だと思いますが、ここでブルーレヴズが完敗するようだと今後も苦しそうなので注目のポイントですね。


スカイアクティブズvsレッドドルフィンズ

9日に行われるディビジョン2の1試合。
スカイアクティブズは、7フェリス、8マヌ、12ルーカスの3名がカテゴリA以外の先発選手。
リザーブのミロデビッドは日本国籍保有者ですね。

一方のレッドドルフィンズは、コンディションの事情か、力の差を考えて今後を見据えてか、オール和製選手を並べてきました。
だからといって、スカイアクティブズが有利というわけではないですが、ここで差を見せられると今後の試合も明らかに苦しいので、ホストゲームでいいゲームを見せたいところです。


3連休の残りのカード、10日に行われるダイナボアーズとライナーズ(ディビジョン2)の試合もメンバーが発表されたら更新します。
 
 
≪1月8日加筆≫
 
ダイナボアーズは、先発では5ウルイヴァイティ、8ネル、10スレイド、13ヴァエガがカテゴリA以外の選手でしょうね。
14ポルトリッジはおそらく代表資格を満たしているものと思われます。
この試合ではリザーブにはCTBリトルなど、カテゴリA以外の選手を複数入れているので、選手交代をうまく調整する必要がありそうです。
 
ライナーズは、5タファ、7ブラウン、9ゲニア、10クーパーの4名。
コンディションの事情などもあるのでしょうが、ベストメンバーという感じではないですね。ディビジョン1ほどではないものの、昨シーズンよりは試合数が多いので、様々な選手に機会を与える意味もあるのかもしれません。