リーグワン2022 第1節 試合所感(ディビジョン1)

第1節のディビジョン1の各試合の感想をざっくりとコメントします。

 

1月9日に行われる予定だったヴェルブリッツとブルーレヴズの試合は、ブルーレヴズにコロナ感染を疑われる体調不良者が1名発生したとのことで、前日に試合中止が発表されました。

ジャパンラグビー リーグワン2022 第1節 トヨタヴェルブリッツ vs 静岡ブルーレヴズ 開催中止のお知らせ | JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(リーグワン)公式サイト

 

感染が確定していない状況で安全をみると、このような判断になるというのは理解はできます。しかし、どのような状況であれば試合を決行し、あるいは中止するのか明確な基準を設けないと、リーグが興行として成り立たないように思います。

 

今週末が開幕節だったディビジョン3は全3試合がキャンセルとなりました。

口で言うだけなら簡単だということも理解しているつもりですが、試合の日はあらかじめ決まっていたわけなので、陽性者が出るのは致しかたないとしても、試合メンバーが組めるようにうまくコントロールできなかったのかなと。

一年前と同じようなことをやっているのが装いを新たにしたリーグの幕開けというところで残念な感はありますね。

 

結果としてディビジョン1で成立した試合は4試合となりました。

 

思わぬ展開で新リーグのオープニングマッチということになったこの試合。

 

最初の試合ということで固さもあったでしょうし、精度はまだまだなところもありましたが、双方の気合は十分に感じられたゲームでした。

 

先日、シャイニングアークスのSOブラックとFBフォラウはレベルが高いので連係面が成熟してくれば脅威といった趣旨のことを書きましたが、すでにある程度の連係プレーは成立していましたね。

ブラックが蹴ったハイボールをフォラウがキャッチしてトライしたシーン。相手のスティーラーズも191cmのアンダーソンと186cmのモエアキオラがケアしていたのに止め切れなかったわけですから、ピンポイントで蹴られたらさらにサイズが劣るBKではどうにもならないのではという感じはします。

フォラウの個人能力は飛び抜けているので、彼の対処方法は今後の対戦相手にとってもポイントとなりそうです。

 

一方のスティーラーズは細かいパスのつなぎを徹底しようとしていることはわかりましたが、自陣のゴールを背負った場面でミスをしていたりもしていたので、場面によって使い分けた方がいいようにも思いました。

 

 

昨シーズンからメンバーや戦術がガラッと変わったグリーンロケッツと、チームの主軸があまり変わっていないイーグルスとの成熟度の差が出たかなという試合。

 

グリーンロケッツが前半の押し込んでいた時間帯にスコアできていれば、もう少し違った展開もあったような気はしました。

レメキのSOとしての起用は実戦では経験が足りないので成熟度もまだまだなのは当然と思います。自分でスペースを突いて突破するシーンもありましたが、周囲を活かしているように思えないボール回しやキックミスの数々をみる限り、あまり固執しないでオプションの一つぐらいで考えた方がよい感じはします。

また、SH田中はベテランならではの駆け引きの妙も見せてくれましたが、チームがボールを動かす素早い展開を志向するのであれば、先発SHはもう少し足が速い選手を配置した方がよさそうな印象を受けました。

 

 

開幕戦だから派手でいいのかもしれませんが、60対46というスコアはトップレベルのラグビーではなかなかないゲームのように思います。

双方接点のところでそこまで力をかけていなかったのか、馬力のあるランナーがゲインして、できたチャンスがほとんどそのままトライにつながっていたような感じでした。

アタックを仕掛けた側がほぼすべてスコアに結びつけていたような印象。

組織的なディフェンスは両チームとも今後整備されてくると思いますが、ちょっと大味な試合だったように感じますね。

 

 

ブラックラムズのブレイクダウンにかける気合いが終始衰えず、それが勝敗の分かれ目になった印象ですね。

レッドハリケーンズは、SOヤンチースが早めに負傷交代してしまった影響もあったでしょうが、アタックがちょっと単調になったので、その分ディフェンスも的が絞りやすかったのだろうと思います。

起用された選手は、ブラックラムズが大半昨シーズンもいた選手だったのに対し、レッドハリケーンズは新加入の選手も多く、連係の成熟度の違いもあったかもしれません。

 

 

多くのチームが初戦で固さもあり、連係も未成熟なところもあって、またおそらくコロナなどの事情でベストメンバーでなかったりもしたと思われるので、力関係が見えてくるのはもう少し先になるようにも思います。