10月14日にヨドコウ桜スタジアムで行われたJAPAN VXとオーストラリアA代表の試合は、52対48でJAPAN VXが勝利しました。
この3連戦で初勝利。
双方敵陣に入ればほぼそのままスコア、というようなかなり緩い試合でした。
金曜ナイターで現地でビールを飲んでいたような人は、たくさんトライシーンが見られて楽しかったかもしれません。
楽観的に見ればアタックが機能して52点も取れたとなりますし、悲観的に見ればディフェンスが破綻して48点も取られた、となります。
もちろん両方の要素があるわけですが、日本代表の強化という面ではやや後者寄りに見ておいた方がよいかな、と。
オーストラリア側は試合前にすでに帰国した選手もおり、最終戦ということで緊張の糸が相当緩んでいたのか、過去2試合と比べてもかなりイージーミスも多く、ディフェンスの集中も緩かったような印象です。
日本側が相手のミスを突いて用意したプレーで着実にスコアしたことは喜んでいいのだと思いますが、ほかのテストマッチで再現可能性があるかというと、相手もあることなのでだいぶ疑問という気もします。
一方でディフェンスに関しては、あの強度であれば相手のレベルが上がれば同じように崩されるのは確実のように思えます。
オーストラリア側のバーバリアンズ的なノリに付き合ったのか、大差がついて油断したのかわかりませんが、特に後半、日本側のディフェンスが相手のシンプルなアタックでいともたやすく崩されていたのが気になりました。
試合の流れを変えられるリーダーが不在なのかもしれませんが、相手の勢いに簡単に飲まれているように見えたのも気になりますね。
2週間後のオールブラックスはもっと組織立ったアタックをしてくると思いますが、ディフェンスの対応力を上げないと、70点ぐらい献上しても不思議ではない感じがします。
ランキングが実力のすべてを反映しているわけではないというものの、直近の世界ランキングはオーストラリアが9位、日本は10位。
そのオーストラリアの正規代表でないA代表に対し、最終戦でギリギリでようやく勝って十分というわけにはいかないでしょう。この試合の前までの連敗によって目標のハードルがだいぶ下がっていたように思いますが。
現状のチームの成熟度では、WCはプール3位の死守が現実的な目標。
選手やコーチ陣は素人が言うまでもなく現実を理解していると思いますが、残りの3試合の秋のシリーズを終えるまでにもっと成熟度を上げておかないと、その目標の達成も厳しいのが現状かなと思います。