イングランド代表戦 試合所感

11月12日、ロンドン・トゥイッケナムスタジアムで行われたイングランド代表と日本代表の試合は、52対13でイングランド代表が勝利しました。

イングランドは、先週同じスタジアムでアルゼンチンに敗れたこともあったでしょうが、単に勝つだけでなくチームの力を誇示するために大勝を狙い、序盤から攻勢をかけて主導権を一気に握る狙いがあったように感じました。
序盤の攻勢をしのげばもう少し違う展開もあったかもしれませんが、日本代表はその波にそのまま飲まれてしまったような印象です。

敵将のエディ・ジョーンズHCは現状の日本代表をスカウティングした結果、弱点と見たハイボール処理を重点的に狙った戦術を取った感じも受けました。
イングランドは逆にこの点は強みにしているわけで、テストマッチにおいては明らかに相手より劣るような、わかりやすいポイントがあると厳しくなります。
日本の球出しを遅くするためラックにも圧力をかけてきて、早いテンポが封じられました。

スクラムに関してもレフェリーに明確に優劣を判断されてしまうと厳しいですね。
この点に関しては、PR具が組み方の問題点をレフェリーに指摘されていて、自分はこのように考えていると明示されているわけなので言い分はあったとしても受け入れざるを得ません。
スクラムは相手のフロントローが交代してから幾分盛り返しましたが。

日本代表は単騎での突破はいくつかあったものの組織的な動きとしては見るべきところは少なかったように思います。

日本代表は長所と短所がかなりはっきりしているチームスタイルであり、2019年に一つの形が完成してから、ほとんど上積みができていないように思います。
相手チームとしては対策が打ちやすい状況になっています。

以前にも書いたことがありますが、WCまでの準備期間のことを考えると、多少のマイナーチェンジぐらいはできたとしても、この11月に到達したチームの完成度を本番で大きく上回ることは難しいのではないかと考えます。

相手が強かった、いい勉強になった、という感想以上のものが今年最後のテストマッチ、フランス戦では求められるように思います。