リーグワン2022-2023 ディビジョン1・第15節 試合所感

ラグビー自体そもそも番狂わせということが少ない競技ではありますが、リーグワンは残念ながらというべきか、登録メンバーを見た時点でだいたい勝敗が読めるというのが現状の正直なところです。
しかし、この節は私見では少なくとも2試合は戦前の予想を覆すような結果がありました。


東芝ブレイブルーパス東京 VS 三菱重工相模原ダイナボアーズ
https://league-one.jp/match/24059/print

戦前の予想のとおりですが、現状の両者の勢いの差が出たようなゲーム。ダイナボアーズが一時12点差としたとき、前回の対戦であれば追いつくような展開もあったかもしれませんが、現状のダイナボアーズのチーム状況ではやはり厳しかったようです。入替戦行きがきわめて濃厚ですが、次節いい形で締めたいところです。
ブレイブルーパスとしては勝ち点5が取れたのはプレーオフへの望みという点で大きかったと思います。ただ、次節の相手はワイルドナイツではありますが。


■花園近鉄ライナーズ VS コベルコ神戸スティーラーズ
https://league-one.jp/match/24060/print

予想外の試合一つ目です。
スティーラーズも状態がよくないとはいえ、いままで無勝利のライナーズに敗れるという想定はさすがにしていませんでした。
スティーラーズとしては、前半の終了間際にトライして23点差とした展開は、普通で考えればラグビーでは勝ちパターンだと思うのですが。後半すぐにライナーズがトライを取り返したのが結果的に効いたかもしれません。これまた結果的にはですが、SOガーデンバショップがキックをすべて決めたのが大きかった。ライナーズは入替戦行きは確定しているものの、無勝利で臨むのとはだいぶチームの自信の持ちようが違ってくるように思います。最終節の相手は下から2番目のグリーンロケッツですが、結果次第では順位が入れ替わる可能性もあります。
スティーラーズは負け数が最低となるシーズンを更新し続けていますが、最終節は勝って終わりたいところでしょう。ただ、後述のように相手がプレーオフ進出がかかったイーグルスなので簡単ではない感はあります。


■横浜キヤノンイーグルス VS 東京サントリーサンゴリアス
https://league-one.jp/match/24062/print

雨の影響もあるでしょうが、このリーグでは珍しいといっていい、ロースコアのゲーム。
イーグルスは最低でも勝ち点1を確保したいゲームプランだったように思いますが、最終節の相手がイーグルスは下位に沈むスティーラーズであるのに対し、ブレイブルーパスワイルドナイツですので、理解はできます。終盤の勝負どころでのディシプリンが勝敗を分けた感もあるので、このあたりが上位経験豊富なサンゴリアスとの差だったのかなと。開始早々にSO田村がHIAで離脱してしまった影響も小さくはないでしょうが。
サンゴリアスとしては苦しみながらもプレーオフ進出決定。アタックの印象が強いチームですが、今シーズンは手駒の不足もあって、ディフェンスの強みが目立っていますね。


■埼玉パナソニックワイルドナイツ VS 静岡ブルーレヴズ
https://league-one.jp/match/24061/print

予想外の試合二つ目。
ブルーレヴズが停滞していた前回の対戦で当たったときも接戦でしたので、相性もあるのだろうと思います。
スクラムやモールなど、ブルーレヴズが強みのあるところで終始優勢だった影響が大きいと思いますので、ワイルドナイツに勝つにはこのあたりのプレーで少なくとも不利にならない状況をつくる必要があるということかと。
雨のコンディションで自由に展開することが難しいゲームでしたが、愚直なプレーが実を結びました。
ワイルドナイツは気持ちの良いアタックができている時間帯は少なかったですが、それでも25点は取っているのは流石といえます。スクラムやモールディフェンスなどの不出来は反省材料でしょうが、プレーオフに入る前に敗北が経験できたのは大きいようにも思います。


リコーブラックラムズ東京 VS トヨタヴェルブリッツ
https://league-one.jp/match/24064/print

実力差はあまりないという戦前の予想でしたが、そのとおり競った試合となりました。
雨により中断された時間帯もあった試合ですが、二転三転する展開となったのは天候の影響も大きかったようには思います。
両チームともシーズンが経過するとともにチームが成熟し、戦い方も安定してきたように感じますが、最初からある程度チームの練度が高い状態でシーズンインできていれば、もう少し上位も狙えたかなという気はします。


NECグリーンロケッツ東葛 VS クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
https://league-one.jp/match/24063/print

この試合は想定どおりといえばそうですが、現状の実力差が出たゲームとなりました。
スピアーズは多少メンバーの調整もありましたが、プレーオフへの歩みとしては順調のように感じます。
グリーンロケッツは戦い方、ディフェンスが安定しないままシーズン終盤を迎えました。最終節のライナーズ戦を勝って終えられるかどうかは入替戦の結果にも影響しそうな感じはします。