リーグワン2023-2024 第3節までの振り返り

年末年始の休養期間を挟んでこの週末は第4節。
年末はちょっとバタバタしていて第3節の所感が書けなかったので、ここまでの3試合の各チームの状態について簡単に振り返りをしておきます。

league-one.jp


ワイルドナイツは、3試合で勝ち点15ときわめて順調。元々完成度が高いチームなので何ら不思議ではないですが、新戦力があまりおらず、伸びしろも他チームほどではないはずなので、他チームの成熟度が上がってきたときが勝負ですね。
 
ブレイブルーパスも3連勝と順調。ブラッカッダーHCがつくってきた今までの蓄積の上に、新戦力のSOモウンガとFLフリゼルがしっかり機能している印象。モウンガがさらに周囲を活かせるようになってきたら面白くなります。
 
ここから下の5チームは2勝1敗と白星先行。
サンゴリアス府中ダービーに敗れて2勝1敗。戦い方が安定している印象はないですが、WTBコルビ、バックローの7ケインなどの巨大な新戦力も少しずつ馴染んで、徐々に安定した戦いができるようになってくるとは思います。急遽加入したアルゼンチン代表の100キャップホルダーであるSOサンチェスがどのあたりで出てくるかも注目です。
 
スティーラーズの巨大な新戦力、LOレタリック、FLサベアはチームに馴染んできた感はあります。ここまで見ると不用意な失点が多く、チームの成熟が足りていない印象ですが、上位争いに絡んでくるためには、集中が途切れる時間帯を減らしていく必要がありそうです。
 
イーグルスは初戦は完敗でしたが、昨シーズンよりも戦い方に安定感が出てきた感はあります。上位陣とは競った展開の試合が多くなるでしょうから、得点の精度をさらに高めていく必要があると思います。
 
ヴェルブリッツは、巨大な新戦力SHスミスとSOバレットが馴染んできたような、まだまだというのか微妙な感じはします。正直なところ今後劇的にチーム力が上がりそうな感じもしないので、このままでは中位争いをしそうな印象です。
 
ダイナボアーズは、試合運びの安定感が昨年よりも増した感じはします。ただ失点がかなり多いとも感じるので、イージーに点を与えてしまうシーンを減らすことができれば、競った試合を拾えることも増えると思います。
 
スピアーズは1勝2敗のスタート。昨年の優勝チームとしてはスタートダッシュには失敗した形です。新加入のHOコールズ、FBウィリアムズも徐々にフィットしてくるでしょうが、今まで見る限りではチームの成熟度が今一つな感じはします。上げてくるとは思いますが。
 
ブルーレヴズは、前の試合でスピアーズに勝てたのは大きい。守勢に入って守り切れる印象はあまりないチームなので、得点できるシーンで確実にスコアし、余計な失点を最小限にすることが肝要かと思います。チーム力は昨年よりは上がっているのは確実という感じです。
 
ここから下の3チームは3連敗。
ブラックラムズは全体的な戦力は決して低くないと思いますが、予想した通り下位争いをしてしまっています。スコア力が高くないのも残念ながらシーズン前の予想通りなので、アタックの構成を工夫できないと今後も苦しそうです。
 
ライナーズは勝てていませんが昨年ほどの大差ではありません。ディフェンスに昨年よりも安定感があります。SOクーパーが復帰してきて、アタックは確実に改善すると思いますので今後に期待が持てます。
 
ヒートは3試合で189失点。特に最初の2試合は一方的な完敗でした。ディビジョン1の強度に慣れていくしかありません。負傷していたマテーラがチームに合流したので、おそらく今後復帰してくるのでしょう。今後の巻き返しに期待したいところです。

リーグワン2023-2024 ディビジョン1・第2節 試合所感

遅くなりましたが、第2節の振り返りです。
2戦目にして早くも連勝が4チームのみとなりました。競った好ゲームと雑な感じの試合が両極端な週末でしたね。

スピアーズが、先週の負けのあと引き締めなおしたと言ってしまえばそれまでの内容。スコアどおり力の差は明白でしたね。
ヒートはいい時間帯も多少ありましたが、スコアできるときにしておかないとこのような一方的なスコアになってしまう、典型的な試合でした。
 
一方、ブラックラムズダイナボアーズのカードは、昨年と引き続き力の差は少ないようです。
ブラックラムズは得点力不足の問題が解消されないとなかなか勝ち星は増えなさそうです。BKの構成を変えてみるなど工夫しないと厳しいでしょうね。
ダイナボアーズは新戦力のSOグレイソンがさらに機能していきそうな期待がありますね。勝負強さもあります。
 
イーグルスヴェルブリッツのカードは16日で一番の好試合。
イーグルスは前節の大敗の反省を踏まえて、ディフェンスが整えられていた印象。ここぞのときに集中していましたね。
ヴェルブリッツは、SHスミスやバレットの流石というプレーはあったものの全体の連携は今ひとつでしたかね。FWの推進力があまりないような気もします。
 
ライナーズとワイルドナイツもある程度スコア差が予想される試合でしたが、前半8点差で折り返したのはライナーズが頑張っていたといえるのでしょう。ただ、こちらもスコアチャンスがあるときに決めないと、いつかは一方的な展開になってしまうという試合でした。

ブルーレヴズは勝てる可能性があった試合を落としたという感じ。昨年もこういう試合が多かった気もしますが。先に点を与えるとちょっと苦しいですね。
スティーラーズは成長途上でしょうが、接戦をモノにできたのは今後に向けて大きいように思います。BKの展開に改善の余地がある感がありますね。
 
ブレイブルーパスは接点の強さがありました。このチームとSOモウンガとの相性はよさそうですね。彼が周囲を活かすプレーは増えていきそうです。
サンゴリアスはBKが活きるシーンがあまりなかったですね。FWに前に出る強さがあまり感じられないので、相手の守備組織がしっかりしていると今後も苦しいかもしれません。



リーグワン2023-2024 ディビジョン1・第1節 試合所感

遅くなりましたが、開幕節を終えた各チームの状況について、ざっくりと感想を記してみます。

league-one.jp

 
スティーラーズは、個の力が出たという印象の試合。過去に在籍したLOレタリックはもちろん、新加入のNo8サベアもすんなりフィットし、今後も本領発揮できそうな雰囲気です。昨年の不出来を一新したような試合で、今後勢いに乗れそうな感じがします。
 
昇格組のヒートは、クローリー新HCが指揮を執り始めてからまだ数週間。この試合はディビジョンの強度の違いもあったと思いますが、戦術がより浸透してくればよいアタックができそうな印象は受けましたので、中位以下のチームとは十分に渡り合えるのではないかという気がしています。
 
ブレイブルーパスは、トライゲッターのWTBナイカブラがWCの経験を経て一皮むけた印象。トライを今後も量産しそうです。新加入SOモウンガは随所に持ち味を見せましたが、今後周囲との連携が深まればよりアタックが脅威になるでしょうね。
 
ブルーレヴズも藤井監督が新任ということもあり、まだ伸びしろはあるだろうとは感じさせたものの、途中まで競って最後に突き放されるというパターンの試合が昨年も多かったので、失点は減らしていきたいところです。
 
ダイナボアーズは負傷交代が複数あったので今後ち影響がないか心配です。新加入のSOグレイソンはチームに馴染むのはこれからでしょうが、いい戦力になりそうです。
 
ライナーズは競った試合を落としましたが、ある程度の感触は掴んだと思います。このチームはアタックはそれなりに機能すると思いますので、ディフェンスの粘りですね。
 
サンゴリアスは、アタックのテコ入れが機能していた感じです。昨シーズン3回負けた相手に気合も入っていましたね。WTBコルビなど個の力も大きかったですが。相手のディフェンスが成熟してくるこれからが勝負かと思います。
 
スピアーズは、ややディフェンスの集中がちょっと弱かった感じがします。新加入選手が加わり、ネジを締め直したらまた違うチームになってくるとも思います。
 
ワイルドナイツはアタックにスピード感がありました。初めの時間帯での大量リードはややできすぎという感じもしますので、ディフェンスの安定を続けられるかも大事になってくると思います。
 
イーグルスもややソフトな試合の入りをしてしまったかなと思います。この相手に最初にペースを握られると苦しくなります。次の対戦のときにどう整えてくるかが面白そうです。
 
 
開幕節ということもあって、ディフェンスの集中、強度が今ひとつというチームか多かった気がします。その分、アタック側に個が強い選手がいたチームが有利だった感がありますね。
 
また、WCを見たあとだから感じることかもしれませんが、アタック時に安易というか、慌ただしくボールを動かすプレーを選択してしまう選手が目につきました。
ゲインができないなら一度ボールを置いてポイントをつくる選択をすればよいものを、無理なオフロードをしようとしてボールを捨ててしまうような場面が多い。
 
外国人選手が日本のラグビーは展開が速いとよく言いますが、それは100%の褒め言葉でもないという気がしています。もう少し落ち着いてプレーすればいいのにという本音も隠れているのではないかと。
展開の激しさもこのリーグの見どころの一つとは思いますが、ボールを丁寧に扱うアタックがもっとあってよいなとも思います。
 
 
 

リーグワン2023-2024 ディビジョン1・開幕節 登録選手 所感

リーグワンの新シーズンは、いよいよ本日12月9日開幕となりました。

過去、各節の登録選手に関する感想を記すようにしていたのですが、毎節となると大したことが書けていなかったのが実状なので、今季は節目節目で気になることがあったときに書くようにします。

 

コベルコ神戸スティーラーズ vs 三重ホンダヒート(NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1:2023年12月09日)

スティーラーズの新加入レタリック、サベアは早速先発で登場です。

10ガットランド、12李という並びも注目ですが、相手によって変えるのかもしれません。

ヒートのほうはまずは簡単に失点しないようにケアといったところでしょうか。

 

三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 花園近鉄ライナーズ(NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1:2023年12月09日)

ダイナボアーズは昨年もいたメンバーが中心ですが、新加入のイングランド人SOグレイソンのフィット具合にまずは注目といった感じです。

ライナーズの新加入LOブラックウェルはさして大きくないサイズで長らくSRハリケーンズでプレーした、密集戦で本領を発揮するタイプ。守備力向上に貢献しそうですが、ちょっとBK陣にパンチがないですね。

 

東芝ブレイブルーパス東京 vs 静岡ブルーレヴズ(NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1:2023年12月09日)

ブレイブルーパスの新加入のオールブラック、モウンガ、フリゼルも揃って先発で登場です。まだ完全にフィットしているわけではないでしょうが、モウンガ経由で面白いアタックが出てくるようだと今シーズンのチームの出来が楽しみになります。

ブルーレヴズの新加入元オールブラックスにしてトンガ代表、FBピウタウの経験を活かした動きも注目です。南アの優勝メンバー、クワッガ・スミスはリザーブから登場となりそうです。

 

トヨタヴェルブリッツ vs リコーブラックラムズ東京(NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1:2023年12月09日)

ヴェルブリッツの新加入、アーロン・スミスとボーデン・バレットも早速登場。ほかのメンバーとのコンビネーションは未成熟でしょうが、この二人は単独でも見せ場はつくるでしょうね。

ブラックラムズとしては、前述の二人に自由に仕事をさせると厳しくなるので、ブレイクダウンで頑張りたいところです。両WTBにパンチのあるタイプを入れてきたので、アイザック・ルーカスだけに依存しないアタックを見たいですね。

 

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs 東京サントリーサンゴリアス(NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1:2023年12月10日)

今節の見どころは昨年のベスト4同士の対戦が並ぶ日曜日ということになります。

スピアーズは新加入のHOコールズ、FBウィリアムズは今節は出番なし。23名昨年もいたメンバーです。

一方のサンゴリアス。新加入のコルビはFBで登場。サム・ケインのNo8というのはあまり印象がないですね。帝京大出身の今年の新人SO高本はリーグ戦初出場ということですが、いきなりの強敵相手のプレーが注目されますね。

 

埼玉パナソニックワイルドナイツ vs 横浜キヤノンイーグルス(NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1:2023年12月10日)

ワイルドナイツも23名昨年もいたメンバーですね。

イーグルスは2番から4番までが新加入の選手。沢木HCはWCの南アフリカに触発されたのか、リザーブの8名がFW6、BK2の布陣ですね。SHデクラークが80分プレーする前提ですが、ワイルドナイツ相手にどのような結果になるか、注目されます。

 

 

 

 

 

リーグワン2023-2024 ディビジョン1 順位展望

各チームの戦力分析の記述でも簡単に触れたので、重複するところもありますが、ディビジョン1の12チームの順位争いの行方についてあらためて整理してみました。
チーム名の右横の括弧書きが予想順位です。順位といっても幅を持った書き方ですが。
 
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(1位~4位)
新加入のHOコールズ、FBウィリアムズが本格稼働になるのに多少の時間は要するであろうものの、チームのベースはしっかりしているので、上位は確実に狙えるでしょう。ルディケHCが日本代表HCに就任することになった場合も影響は少なからずあるでしょうが、大崩れする心配はないでしょうね。優勝とまでは断言できませんが、ベスト4進出はほぼ確実だと思います。
 
埼玉パナソニックワイルドナイツ(1位~4位)
今年は上位の戦力が接近しており、落とす試合も増えるのではないかと書きました。メンバー表レベルの話ではということになります。昨年もTL時代と比べると落としそうな展開の試合は増えていて、今年もそうなる可能性が高いだろうと考えていますが、チーム、個々の選手の経験値を考えると、優勝かどうかはともかくとしてもプレーオフを逃す状況は考えにくいと思います。
 
横浜キヤノンイーグルス(3位~6位)
アメンバーはほぼ変わらず、各所で補強もできていて選手層がは厚くなっているので、上位進出は狙えるでしょう。勝ち方を知っているSHデクラークか2年目で、昨年よりもチームを掌握できているのも大きいと思います。先の2チームよりは選手層がやや薄い気はしますが。
 
東京サントリーサンゴリアス(3位~6位)
選手層は厚いですが、コア選手に入れ替えが多いので、このぐらいの順位としました。
噛み合えば優勝もありえますが、BKのパワーが少々弱い感じはします。何もないところからコルビがトライというシーンは、それなりに生まれそうな気はしますが。
 
東芝ブレイブルーパス東京(3位~6位)
ブラックアダーHCの戦術がフィットしてきたうえに、モウンガ、フリゼルの大物が加入。元々NZ人が多いこともあるので、新加入組のなかでは比較的早く噛み合ってくるように予想します。優勝までのイメージはないですが、ベスト4はかなりの精度であるかなと思っています。
 
コベルコ神戸スティーラーズ(3位~8位)
レタリック、サベアは連携が噛み合わなくても個で強いので、少なくとも昨年より下ということはないはずです。SOは李よりもガットランドのほうが周囲を活かせるかなという気はします。あとはディフェンスの安定感が出てくればベスト4の可能性が高まってきます。
 
オールブラックが新たに2名加わったチームのなかで一番成熟が遅いかと予想しているチームです。BKはポテンシャルはあってもハイレベルな環境をあまり知らない選手が多い印象です。バレット、スミスが個人技でトライするシーンはそれなりにありそうですが。早めにいい連携ができてくればベスト4は射程圏内ですね。
 
静岡ブルーレヴズ(5位~9位)
ここからは上のチームとはポテンシャルにちょっと差があります。ベスト4以上は難しいかなと。それなりにスコアはできると思いますが、ディフェンスで押し切られるシーンが昨年同様、多そうです。そこそこ守りを頑張ってより多くトライする展開を多くつくりたいところです。
 
更にここからは、取れる勝ち点を確実にモノにしていかないと、降格圏争いをしそうなチームです。選手の出入りがかなり多かったので、早めに成熟度を上げていく必要があります。コアメンバーを早めに固めていくことが重要でしょうね。
 
リコーブラックラムズ東京(7位~10位)
選手があまり変わっていないので、ディフェンスはそれなりに頑張るが、あまりスコアできない、という昨年多かった展開がまた多そうな印象です。得点パターンをつくっていくことが求められると思います。
 
三重ホンダヒート(10位~12位)
残り2つは残念ながら入替戦行きが濃厚かなと思います。特にヒートは昇格組なので、早めにディビジョン1の強度に慣れる必要があります。あまりハイレベルな環境でプレーしたことがある選手が多くないので、モスタートへの期待は大きいですね。負傷したマテーラもいれば心強かったのですが。
 
花園近鉄ライナーズ(10位~12位)
昨年はギリギリ降格を回避。フル稼働できるかはわかりませんが、ゲニア、クーパーか揃えば、昨年よりは競った試合を多くできそうです。日本人選手があいにく一番強くないチームなので、奮起が期待されます。


今シーズンは、WC終了後ということもあって各チームにティア1の代表クラスが多く入団しています。
チーム戦術に噛み合うかどうかは不透明な部分があって、シーズン前半と後半でチーム力がガラッと変わるチームもかなり出てくると予想しています。それもあって順位は昨年よりは読みづらいかなと。
TL時代も含めて、残念ながら試合前に勝敗の予想がおおよそついてしまうリーグでしたが、今年は大物選手のフィット具合も影響してきて、予想が難しい試合が増えるかと思います。

リーグワン2023-2024 ディビジョン1 戦力分析(カンファレンスB②)

残りの3チーム。このうち2チームが昨年入替戦を戦っています。

リコーブラックラムズ東京
主力の顔触れはあまり変わらなさそうなブラックラムズ
各ポジションの選手層はそれなりに整っているチームで、特にFWの人材の豊富さは上位に入ると思いますが、アタックがアイザック・ルーカスの突破に依存する状態から脱却できないと、今シーズンも入替戦圏内を争うことになりかねません。
ディフェンスはある程度計算できるチームですので、アタックのバリエーションを増やせるかどうかが鍵でしょう。2シーズン目のNo8ヒューズ、CTBパークスあたりのベテランの活躍に期待したいところです。

三菱重工相模原ダイナボアーズ
昨年は序盤好調だったものの、シーズン途中で失速して入替戦に回ったダイナボアーズ
ハードワークするプレースタイルのため疲労が後半に溜まってきてしまったともいえますし、戦い方が研究されてきたともいえるかもしれません。それなりの選手の入替がありましたが、ポテンシャル的には中位近くの順位争いはできる戦力はあります。
昨年はイングランド人で帰国したSOシルコックが機能しましたが、今年も同胞のグレイソンを補強。BKに走力がある選手が多いので噛み合えばアタックは期待できそうです。

花園近鉄ライナーズ
昨年は入替戦で復帰したSOクーパーが、今年は最初からプレー可能だと思いますので、それが一番の補強かもしれません。SHゲニアとの黄金コンビは相手のディフェンスを混乱させる力があります。
FLブラウン、WTBノーラがカテゴリAになったのも地味に大きい。代表歴のないブラウンはともかく、レバノン代表歴のあるノーラがなぜカテゴリAの扱いになるのか経緯がよくわかりませんが、起用法のバリエーションが増えるのは重要ですね。
海外出身選手と日本人選手の力量差が大きいのが課題のチームですが、特に若手に多い社員選手の奮起が残留に際しては鍵になるはずです。
 

リーグワン2023-2024 ディビジョン1 戦力分析(カンファレンスB①)

続いてカンファレンスBの昨年順位が上位の3チームです。
 
埼玉パナソニックワイルドナイツ
昨年準優勝のワイルドナイツ
退団選手はそれなりの数いますが、主力とは言い難い選手がほとんど。新加入も先行投資という感じの若い選手。つまり、主力メンバーは昨年とほぼ変わらないだろうと思われます。
WCの日本代表11名、他国の代表経験者では負傷で直前で南ア代表から外れたLOデヤハーを除き、CTBデアレンデ、WTBコロインベテはWCでプレー、他にも実力選手が多数。今年も優勝の有力候補ではあります。
ただ、戦力の上積みはほぼないので、他チームとの差はかなり接近しているように感じます。戦い方もかなり研究されていると思いますので、今シーズンは落とす試合も増えるのではと予想します。
 
昨年は過去最高位の4位と、一つ壁を破った印象のイーグルス
他国代表経験者枠では、元ウェールズ代表のが退団し、同じLOでWCでもプレーしたワラビーズのフィリップが加入。これは収支トントンに近い気がしますが、南アの優勝メンバーで、プレーの充実ぶりが光っていたSHデクラークとCTBクリエルの健在が大きい。サンゴリアスから移籍のPR祝原とHO中村の加入も、やや地味ながら選手層の厚みを増した点で効果的です。
戦力的には昨年を上回っている印象で、主軸は変わっていませんので、優勝も狙えるように思います。勝負どころの見極めに秀でたデクラークがチームを理解したのが大きい感じがしますね。
 
昨年は6位でフィニッシュし、最後に帳尻を合わせたものの、途中で負けが込んで降格圏までいくなど戦力の割には、というシーズンだったヴェルブリッツ
サンゴリアスと並んでミーハー的な補強が多いチームですが、今年もWC出場組のオールブラック、SHアーロン・スミス、SOボーデン・バレットを獲得しました。南ア代表のデュトイも健在ですので、WCのファイナルに先発出場した3名が揃うことになります。
黄金の9番、10番と周囲の連携が噛み合ってくれば相手の脅威になると思いますが、一緒に練習できた時間が短いので機能してくるのはそれなりに時間がかかるような気はします。単体でも違いをつくれる選手たちではありますが。
ほかにもかなり選手の出入りが多く、特にFBルルーの退団はアタックでの貢献が大きかったので影響は大きいと思います。新加入はSRで十分な実績があるような選手もいて選手層は薄くないですが、せっかくのスミス、バレット、デュトイを有効活用しようとプレー時間を長くしすぎると、ほかの海外出身の起用が難しくなるという心配はありますね。機能すれば上位争いをするポテンシャルはあります。