2020 SUPER RUGBY ROUND1 全体感想

ROUND1の結果はこのようになり、BYE WEEKのハイランダーズ以外は初戦を終えました。

 

サンウルブズもホームの開幕戦を勝利で飾りましたので、ROUND1は7試合中1試合を除いてホームチームの勝利となりました。
ちなみに、昨年の開幕戦は7試合中ホームの勝利は1試合のみでした。極端から極端に振れた感じですが。

 

今節の結果のなかでは、ハリケーンズとライオンズの完敗(ストーマーズとハグアレスの完勝)が目を引きます。移動距離が長い、厳しい条件のアウェーの試合だったということもありますが、ハリケーンズとライオンズはほとんど見せ場がありませんでした。

 

ワールドカップの後のシーズンは毎度多くの選手が動くもの。今シーズンはTLとシーズンが重なったことが各チームのスコッドに大きく影響しています。


今シーズンの移籍・退団の情報は、Wikipediaのページで網羅されていますが、あまりに情報が多すぎるので、代表選手に絞りました。昨年のワールドカップのスコッドに入っていた選手の移籍・退団は以下のとおりです。 

名前 SR  2019シーズン 新所属
エンリケ・ピエレト・エイラン Jaguares Exeter Chiefs
トマス・ラバニーニ Jaguares Leicester Tigers
パブロ・マテーラ Jaguares Stade Français
ファン・マヌエル・レギサモン Jaguares Seattle Seawolves
ラミロ・モヤーノ Jaguares Toulon
ローリー・アーノルド Brumbies Toulouse
デービッド・ポーコック Brumbies パナソニック
クリスチャン・リアリーファ Brumbies NTTコム
アダム・コールマン Rebels London Irish
ウィル・ゲニア Rebels 近鉄
サム・ケレビ Reds サントリー
セコプ・ケプ Waratahs London Irish
トル・ラトゥ Waratahs Stade Français
バーナード・フォーリー Waratahs NTTコム
アダム・アシュリーークーパー Waratahs Austin Gilgronis
ソニー・ビル・ウィリアムズ Blues Toronto Wolfpack
ブロディ・レタリック Chiefs 神戸製鋼
サム・ホワイトロック Crusaders パナソニック
マット・トッド Crusaders 東芝
キアラン・リード Crusaders トヨタ自動車
ライアン・クロッティ Crusaders クボタ
ベン・スミス Highlanders Pau
ボーデン・バレット Hurricanes Blues
スカルク・ブリッツ Bulls 引退
ルート・デヤハー Bulls Sale Sharks
RG・スナイマン Bulls Honda
ドウェイン・フェルミューレン Bulls クボタ
ハンドレ・ポラード Bulls Montpellier
ジェシー・クリエル Bulls キヤノン
マルコム・マークス Lions NTTコム
クワッガ・スミス Lions ヤマハ発動機
テンダイ・ムタワリラ Sharks Old Glory DC
エベン・エツベス Stormers Toulon
ダミアン・デアリエンディ Stormers パナソニック

 

もちろん出て行った選手がいれば、新たに入ってきた選手もいるわけですが、有力選手が抜けた影響の度合いはわかるかと思います。


ハリケーンズは、代表の離脱はボーデン・バレットの1名だけですが、初戦を見る限り、その一人を失った喪失感が大きそうです。
FWの核となるアーディ・サベアも怪我で長期離脱中です。
NZのチームのなかでは、FWは少々馬力が弱めということもあって、10番のポジションが安定しないと、今後も苦しい試合が続くかもしれません。

 

パワフルなFW、スピード豊かなBKというタイプの選手は次から次に人材を輩出するSRですが、ゲームをうまくコントロールできるハーフバックの選手となると、それほどすぐには育ってこないという印象を持っています。

 

 

サンウルブズがホームで勝利したレベルズも、SHゲニア、SOクーパーという強力なコンビを失っており、安定したゲームメイクができるようになるにはかなり苦労するでしょうし、ポラードという世界トップクラスの10番を失ったブルズも相当に苦労する
でしょう。

 

経験豊富なFW陣が抜けたとはいえ、BKの優秀な選手は残っているクルセイダーズはほかのチームと比べれば相対的に有利ですし、代表クラスが複数ヨーロッパに去ったとはいえ、優秀なBKの選手が次々に育ってくるハグアレスは新シーズンも期待できそう
です。

 

SHペイジの怪我の具合が心配ですが、SOエイプリルとのコンビが継続的、安定的に組めるようであれば、チームスタイルとハーフバック団の個性がマッチしているサンウルブズは、戦前の予想よりも勝ち星を重ねられるかもしれません。
選手層の薄さはいたしかないので、怪我人があまり出ないという前提があっての話ですが。
齋藤もチームスタイルにマッチしているSHだと思いますので、彼の成長にも期待したいところです。

 

 

≪2月10日追記≫

アダム・アシュリーークーパーの新所属を「退団」としていましたが、新天地はMLRのオースティン・ギルグロニスに加入したようです。

先のワールドカップに出場したのは彼のほか、ムタワリラにレギサモン。ほかにもノヌー、バスタロー、もちろん畠山も。ベッカムやアンリなど往年の名手を集めて成功したたMLS方式ですね。

 アメリカ、カナダのリーグの展開も楽しみです。