ワールドカップ プールDの状況分析②

次に試合日程の面から状況を分析してみます。

各国のプール戦での試合日程と準々決勝の試合日程は以下のとおりです。2戦目以降はその前の試合との試合間隔を示しています。

【日本】
9月10日・・・VS チリ
9月17日・・・VS イングランド(中6日)
9月28日・・・VS サモア(中10日)
10月8日・・・VS アルゼンチン(中10日)

イングランド
 9月9日・・・VS アルゼンチン
9月17日・・・VS 日本(中7日)
9月23日・・・VS チリ(中5日)
10月7日・・・VS サモア(中13日)

【アルゼンチン】
 9月9日・・・VS イングランド
9月22日・・・VS サモア(12日)
9月30日・・・VS チリ(中7日)
10月8日・・・VS 日本(中7日)

サモア
9月16日・・・VS チリ
9月22日・・・VS アルゼンチン(中5日)
9月28日・・・VS 日本(中5日)
10月7日・・・VS イングランド(中7日)

【チリ】
9月10日・・・VS 日本
9月16日・・・VS サモア(中5日)
9月23日・・・VS イングランド(中6日)
9月30日・・・VS アルゼンチン(中6日)

【準々決勝】
10月14日・・・C-1  VS  D-2
10月15日・・・D-1  VS  C-2


以前はティア1のチームに有利な日程が組まれがちで今回もその傾向は多少は感じられますが、中5日は最低でも確保されていて、だいぶ改善された印象は受けます。
一方で従来よりも登録できる選手が2名増えて33名になり、15名のチームを2セットつくることも現実的になった事情もあり、選手層の厚いチームは試合によって起用する選手を分ける傾向が強まると思います。負傷や出場停止のリスクを回避し、重要な試合のために重要な選手をフレッシュな状態で残しておくためです。

アルゼンチンのチェイカHCは選手選考の際、二つのチームをつくることを想定してそのポジションが専門の選手を最終的に優先したと発言しています。
現実的な起用方法はそのときの選手のコンディション次第でもあるでしょうが、戦力的に最も劣ると思われ、手の内もわかっているチリにはセカンドチームを当てる想定のはずです。また、勝ち点計算に余裕があれば、最終節の日本戦もその後の日程を考えてセカンドチームに近い布陣で臨むのではないかという気がします。
セカンドチームだとしてもファーストのチーム力に大きな差はなく、身体的にフレッシュな選手が出てくるのだとしたら、日本にとって有利ということを意味しませんが。

日本は試合間隔の点では恵まれている部類ですが、7月の実戦からほとんど同じメンバーが試合に出続けている状態です。
今回のワールドカップでは、気象的に日本大会よりも人とボールがよく動く強度の高い試合が展開されると思われ、試合間隔が空いているからといって同じ選手を起用し続けていると間違いなく疲弊して、チームのパフォーマンスは落ちてきます。
日本代表がベスト8に進みたいのであれば、序盤で勝ち点を積み重ねて、最終節に勝負をかけるような展開を避けることが必要だと思います。

このプールは、初戦のイングランドとアルゼンチンの勝敗が全体の行方に影響を与えることは確かですが、イングランドは仮に敗れても日程的に立て直すことは可能です。最後のサモア戦にじっくり戦力を整えつつ相手を分析することもできます。
アルゼンチンも敗れても、次のサモア戦に向けて切り替えることはできます。フィジカルが強い相手が続くことはややきついですが。

サモアはベストメンバーが組めればかなり強いですが、中5日でアルゼンチン、日本とやって、最後にイングランドという順番が厳しい感はあります。

戦力、現在の調子、日程を総合的に考えると、この組はアルゼンチン、イングランドの通過を予想します。