海外出身選手の居住資格管理について

少々前の話になりますが、4月14日にサニックスNo8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコが、豪州に帰国し、SRワラターズでプレーすると発表されました。

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2019年WCで日本代表の選出の一歩手前まで行きましたが、居住資格が足りず見送りに。2020年のコロナ禍で一時帰国していたため、2023年の選出の可能性はなくなっていました。

 

帰国後はワラビーズを目指すとのことです。サンウルブズ含めて日本で長く活躍していたような気がしていたので意外な感じがしますがまだ25歳ですからね。今後のキャリアが豊かなものになることを祈ります。

 

彼はTL5節のHonda戦での危険行為でプレーオフも含めて4試合の出場停止になっていましたので、日本の公式戦でプレーすることなく、帰国する可能性も高いように思います。

サニックスの活動縮小の報道も出たあとなので、なおさら寂しさを感じてしまいますね。

 

先日の日本代表候補発表のときに、代表資格を満たすための居住資格がかなり厳格になっていることをあらためて感じました

現状は3年から5年に変わる前の移行期間ですが、居住5年に基準が切り替わったのちは、本人や所属チームに帰国の管理をすべて任せていたら、基準を満たした選手を代表に呼ぶことは相当に難しくなるでしょうね。

発表時の会見で藤井ナショナルチームディレクターは、「(帰国に)ストップがかけられなかった」と発言していたようですが、本人の意思が尊重されるのは当然としても、協会が居住資格に積極的に関与していかないと、プロラグビー選手として来日した選手が日本代表に入るよなことはほぼなくなると思います。

 

代表の考え方の問題ですが、日本代表が継続的にWCでベスト8以上を目指すのであれば、代表人材のプールの仕組みを整える必要があるでしょうね。

ポジション別に、どこが人材が潤沢で、どこが手薄なのかを把握し、手薄なポジションで将来的に資格を満たしうる選手がいるのであれば、場合によっては金銭的なインセンティブ込みで、協会あるいはリーグが働きかけることが必要ではないかと思います。

一定期間帰国したら居住期間がリセットされるわけですから、所属チームの契約の空白期間でリセットされないように、必要な選手はある期間協会(新リーグ)が契約するなどの仕組みがあってよいと考えますね。

 

トップリーグ2021 プレーオフトーナメント一回戦 登録選手所感

プレーオフ一回戦は、TCLの上位4チームと、TLの各カンファレンス下位2チームとの対戦です。新リーグのディビジョン分けという意味ではある程度先が見えてきているのかもしれませんが、それぞれに負けられない試合です。

 

トップリーグ2021プレーオフトーナメント 豊田自動織機シャトルズ 対 NECグリーンロケッツ 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

織機はリザーブも含め強力な海外出身選手を揃えていて、メンバーはTL勢にも見劣りしない印象です。LOに入ったトコキオ、FLタンギパ、No8セウなどはパワーも走力もありますので、NECはディフェンスに集中しないと一気に持っていかれるシーンがあると思います。織機の不安材料としては、やはり強度の高い試合の経験がTL勢よりも少ないこと。序盤の試合の入りを集中していいプレーを見せられるかが勝敗の鍵になると思います。

NECはLOジェフリーズが戻ってきました。シーズン序盤の攻守を支えた存在ですので、身体を張ったプレーに期待したいところです。以前の試合後の会見で負け癖がついてしまっているというようなコメントがありましたが、この一生のために気持ちを切り替えて臨めるかが大切ですね。

織機バーンズ、NECグッドというイングランド代表歴のあるSOの対決にも注目です。

 

トップリーグ2021プレーオフトーナメント 三菱重工相模原ダイナボアーズ 対 コカ・コーラレッドスパークス 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

三菱重工は前節の試合で脳震盪だったスレイドに代わり、ウィルソンがSOを務めます。前節は序盤のHondaの圧力に負けて守勢に回りましたので、集中して入れるかがまずは大切ですね。

コカ・コーラはベストメンバーと思われる布陣で臨んできました。近鉄との試合ではディフェンスが途中で崩壊してしまいましたので、集中を保った80分の戦いができるかが肝となりますね。ベストのパフォーマンスができれば地力にそこまでの差はないように感じます。

 

トップリーグ2021プレーオフトーナメント 宗像サニックスブルース 対 近鉄ライナーズ 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

サニックスはSOにエメリーが入りました。この前に出場したトヨタ戦ではあまりチームに勢いを持たせることができなかったので、この重要な試合でSRなどの経験値を見せたいところです。このところの負け方、チーム活動に関する報道など、いい流れではないですが、今シーズン一番の集中を期待しています。

近鉄は織機とのTCL首位決定戦でいいアタックをほとんど見せられませんでしたが、チームの形をいかに修正してきたかが鍵になります。織機もそうですが、この2チームはメンバーはTLチームに見劣りはしないので、集中して精度の高いプレーができるかどうかですね。リザーブには今シーズン初めてかと思いますが、WTBマシレワが入っています。一発で流れを変えるプレーができる選手なので、劣勢のときに出てきたら注目です。

 

トップリーグ2021プレーオフトーナメント 清水建設ブルーシャークス 対 日野レッドドルフィンズ 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

清水建設は僅差でこちらのプレーオフに上がってきました。勝利はなかなか難しいかもしれませんが、プレーの精度を高く保つことができれば接戦に持ち込むことはできると思います。新リーグにつながる試合を期待したいですね。

自力で考えると日野が負けることは想定しにくいですが、しっかりと自分たちのやりたい形を示して、次に進むことが大切かと思います。14に入った福士は2021年新卒組ですね。

 

 

 

トップリーグ2021 第7節 全体所感

TL最後のシーズンのリーグ戦最終節。

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結果については、登録メンバー発表時の見込と異なる展開の試合も結構ありましたね。

8試合中、終了間際に逆転になるクロスゲームが2試合、30点差以上の大差が5試合と極端な結果となりました。

 

NTTドコモ神戸製鋼

メンバー発表のときに、ドコモは勝利を半ばあきらめているような布陣と書きましたが大変失礼しました。残り1分ほどボールを保持できれば勝てたという試合で、最初からあきらめるなどとんでもなかったですね。

名将アッカーマンHCはTLの外国籍選手の起用枠をきわめて意識的に考えている指揮官だと以前に書きましたが、この試合ではサイズのある二列目、三列目の選手を入れてこなかったので、プレーオフも見越してローテーションの意図が強いのかなと感じたわけです。PRのファン・ヴィックの起用は残念ながらそこまで効果的ではなかったものの、FBにマーシャル、リザーブにSOバンクスを入れた効果は大きかったように感じます。強いFWがもう一枚いればボールを保持して守りきれたかなという気もしますが、さすがにそれはたらればですね。

最後の最後で逆転はされたものの、昨年97点差で敗れた相手に2点差の敗戦。負けはしたものの、手応えを新たにした選手は多いでしょう。

神戸製鋼はどこが悪いとも言いにくいですが、メンバーの固定がないこともあってかしっくりきていない感はあります。2週間の準備期間を活かしてノックダウンステージに向けた準備が必要でしょうね。

 

パナソニックヤマハ

最初の竹山のトライになったパントのキャッチミスは誤算だったと思いますが、ボールが大きく動く展開のゲームにしてしまった時点ヤマハの勝機はなかったかなという試合でした。

前半のうちに21点差を9点差に縮めて意地は見せたもののそこまででした。後半最初のスコアがヤマハであれば、ここまでの大差にはならなかったかもしれませんが、これもたらればですね。

パナソニックは順調すぎる形でリーグ戦を終えました。本来であれば前節の神戸製鋼戦が密度の濃いゲームになるはずが、悪天候でそういう試合にならなかったので、強度の高いと言えるゲームを経験しないまま終わってしまいました。それだけチームが充実しているとも言えますが、ノックダウンステージではちょっと不安材料になりますね。

 

リコー・日野

試合の入りの時間帯の出来がすべてでしたね。リコーが最初から圧力をかける狙いだったと思いますが、日野はその波をまともに被って、早めに失点を重ねてしまい難しい試合になりました。地力の差と言ってしまえばそれまですが。

リコーは最終的にはカンファレンスで4位。試合を重ねるうちにSOアイザック・ルーカス中心のアタックも機能してきて、チームのスタイルが完成してきた感がありますね。

日野のプレーオフ初戦は清水建設。戦力差を考えれば負けることは想定しづらいですが、その次も見据えて戻ってきた海外出身者の戦力をどう配置するか再構築が必要かと。

 

Honda・三菱重工

この試合も見込み違いの結果でした。点差ほどの実力差はなかったと思いますが、一勝にかけるHondaの意地が三菱重工を上回りましたね。

今シーズンのHondaはFWを中心に前に出られればいい試合ができるのはわかっていましたが、空回りすることも多かったので。この勝利によってTCL組との試合を回避しバイウィークができたので、さらなるチーム強化を図ってほしいところです。

重工は前半25分に退場者が出て一枚減ったのもあって対抗できませんでした。それにしても無抵抗でやられすぎですね。このチームはやられ出すと踏み止まれなくなる脆さがあります。この負けでプレーオフが1試合増える方に回ってしまいましたので、週末までに立て直しが急務です。

 

サントリーNTTコム

NTTコムは、前半の45対10からよく14点差まで詰めたと言うべきですが、最終的にはもっと差を付けられてしまいました。残念ながら一発のタックルミスでトライまでいってしまう、TLでよく見られる失点シーンが量産された試合でした。NTTコムはアタックの形はある程度整っていると思いますが、組織的なディフェンスを整備しないと上位陣には歯が立ちそうもないですね。こういう展開の試合をやっているとSHレイドローも持ち味を発揮できない

サントリーは、力のあるランナーがつくった穴をうまく使ってトライを量産しました。ドコモのペレナラはクロスゲームも含めてプレーをエンジョイしているように思えますが、バレットはリーグ戦で接戦と言えるのが7試合のうち2つのみという環境をはたしてどう見ているのか。そこで手を抜くような選手でないから、彼が出場したあとの20分間で5トライが追加されたとも言えますが。

新リーグは(も)、チーム強化は各チームの自助努力にお任せ、という雰囲気が漂っていますが、カンファレンスの1位と4位の対戦で63点差がつくラグビーのゲームがエンタメとして市場価値を持ちうるのか、よく考えた方がいいと思います。

 

トヨタ・クボタ

結果だけを見れば間違いなく接戦であるし、劇的な試合であったことも確かなのですが、双方にペナルティ、技術的なミス、判断ミスがかなり多く、ハイレベルな試合だったかと言われるとそうでもないかなという印象。

レベルの高いプレーも多く、カンファレンス2位を争うにふさわしい試合ではあったと思うものの、ちょっと首をひねってしまうような内容でもありました。

トヨタは相手が2枚少なくなった時間帯のアタックにもう少し工夫ができなかったかと思いますし、クボタの最後の選択は、キックを外す恐れもあった割にはトヨタの最後のアタックを待ち構えるディフェンスの体制が実に淡泊だったような気がしますね。

厳しいことを言うようですが、新リーグのレベルを高めるには両チームの立ち位置のチームが戦術的な水準を上げていくことが必要だと思います。

 

サニックス東芝

サニックスは序盤はよい試合をできたものの、途中で息切れした感があります。一試合を通じて一貫したプレーができなかった点がカンファレンス最下位という結果に表れていますね。人のリソースが限られているチームで、怪我人も続いて難しい状況です。来季活動縮小の報道も出て、さらにチームは難しい局面にあると思いますが、近鉄との試合では今季の集大成を見せてほしいですね。

東芝は後半ゲームの強度を上げてきましたね。連勝でリーグを終えましたが、この2試合はやりやすい相手と対戦したのも事実。今シーズンの真価は次のリコー戦で見えると思います。

 

キヤノンNEC

NECについては同じような試合展開が続いていますが、序盤であっさりと試合が決まってしまいました。ディフェンスでの連係不足、タックルの弱さなど、チームとしての欠点は自覚があると思いますが、もともと人のリソースが足りないチームなので根本的な修正は難しいですね。後半にいくらかトライを取り返すのも過去と同じで、チームとして完全に気持ちが切れていないのはよいとは思いますが。TCLトップの織機との対戦で意地を見せてほしいところです。

キヤノンはチームが出来上がってきて、調子を上げてリーグを終えた感があります。ただ、リーグ戦の前半より後半の方が与しやすい相手が多かったのも確かなので、プレーオフでは今シーズンの真価が問われます。前節の日野戦は試合が実施できていれば、勝ち点4か5を加えられたと思いますので、この点は気の毒でした。

2021年度男子日本代表候補発表

日本ラグビーフットボール協会は4月12日、2021年度男子日本代表候補選手52名を発表しました。

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合宿とスコットランド遠征に臨む35名の最終スコッドは、5月のTL決勝が終わってから発表する予定とのことです。それだったら終わってから発表してもよさそうなものですが、プレーオフに注目を集めるための施策なんでしょうね。

今回選考されていない選手への個別のコメントとしては、HO堀江(パナ)、SH流(サントリー)はコンディション不良での辞退、SO山沢、WTB竹山(パナ)、WTB高橋(トヨタ)はチームコンセプトと合わない、ということのようです。

ラグビーライター向風見也氏の記事で選考に関するそのあたりの事情は詳しく語られています。

news.yahoo.co.jp

 

NZにいるジョセフHCがどこまでTLの試合をウォッチしているかはわかりませんが、準備期間も足りないため当初は2019年WCスコッドを大部分踏襲するだろうと思われていましたので、今回注目すべきは海外出身の、居住資格が3年から5年に変わる移行期間での駆け込み需要的なメンバーでしょうね。

向氏の記事によると、今回選考された海外出身選手は居住資格については協会は確認できているとのこと。コロナ禍で一時帰国したことで基準を満たさず、呼べなかった選手も複数いるようです。

 

母国でSRを経験したレベルで代表基準を満たすような選手は今回呼ばれた面子でほぼ打ち止めなのでしょう。

日本人選手、また日本の大学を卒業した海外出身選手は今後の活躍次第で入ってくることはあるでしょうが、ジョセフHCは国内での実績をあまり重視しないので、来るべき新リーグでよほど際立った活躍を見せる必要があるでしょうね。

 

こういう点で、若手の鍛錬、選考の場としてのSRがなくなったのは、やはりジャパンにとっては痛いところです。数が限られた貴重なテストマッチの試合をお試しの場にはしづらいので、経験がない選手を登用することには慎重にならざるをえないでしょうね。

 

2023年には30歳を超えるPRミラー(パナ)、LOアボットサニックス)、モリ(日野)、FBファンデンヒーファー(クボタ)。いずれも母国でもSRのプレーを経験した、元サンウルブズの選手です。

モリ以外は、現代表のコーチングチームが率いていた2018、2019年シーズンのサンウルブズでプレーしているので、戦術へのフィットは早いと思います。決して若くないこれらの選手たちを候補に入れたということは、できれば経験値を活かしてチームの核になってほしいという気持ちがある気がします。一方で今回は準備期間が短いので実力を読みやすい選手を入れているという見方もできますが。

 

海外出身選手の加入によるチームの底上げは予想よりも小規模になってしまいそうですが、このメンバーをベースに強化していくしかありませんね。

トップリーグ2021 第7節 登録選手所感②

4月11日(日)の4試合です。

 

トップリーグ2021リーグ戦 サントリーサンゴリアス 対 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

サントリー1位、NTTコム4位で、カンファレンス内の順位は確定している両チーム。だからというわけでもないでしょうが、メンバーにはローテーション的な狙いが見られます。

サントリーはSOバレット、CTB中村は不在、SH流もリザーブスタートです。リザーブに今季初めて、あるいは出番が少なかった選手が入っています。FL下川はサントリーの2021年新卒組ではデビュー一番乗りになりそうです。

NTTコムでは、南ア人のLOコンラディがTLデビュー。前節不在だったSHレイドローは先発に復帰。リザーブには出場機会が限られていた選手もいますが、先発はここ数試合に出場しているメンバーが中心です。プレーオフで上位に進むことを狙うなら、バレットや中村亮土が不在のサントリーには互角の勝負をしておきたいところでしょうね。

 

トップリーグ2021リーグ戦 トヨタ自動車ヴェルブリッツ 対 クボタスピアーズ 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

サントリーに敗れ1敗同士のトヨタとクボタ。カンファレンスの2位を決める一戦となります。
メンバーの入替が少なかった両者ですが、この試合も主力を並べてきました。

トヨタは8リードが先発に復帰、FLフーパーはベンチスタートです。

クボタは8末永が前節のリザーブから上がった以外は、同じメンバーですね。

 

トップリーグ2021リーグ戦 宗像サニックスブルース 対 東芝ブレイブルーパス 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

サニックスは、12に久々登場の小野を入れてきたのが目を引きますね。東芝の先発メンバーは比較的軽量級ですので、FWの圧力で勝機を見出したいところです。

東芝はメンバーをローテーションしている感もありますが、プレーオフで結果を出すために、しっかりとリーグ戦を終えたいところですね。

 

トップリーグ2021リーグ戦 キヤノンイーグルス 対 NECグリーンロケッツ 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

この日唯一のホワイトカンファレンスの試合。

キヤノンは、NTTコムから移籍のNo8レレイマフィが登場。どのぐらいのパフォーマンスを見せられるかが注目です。先日涙のTL初出場となったサウマキアマナキが4の位置で先発。中止になった前節の試合でも先発に入っていましたがお預けとなっていました。カンファレンス内の順位を考えると落とせない試合です。

一方、カンファレンス最下位は確定しているNEC。10グッドが復帰しました。消化試合にするつもりはもちろんないでしょうが、サイズ感諸々なかなか苦しそうです。

トップリーグ2021 第7節 登録選手所感①

リーグ戦第終節第終第7節、4月10日(土)4試合のメンバー発表がありました。

 

トップリーグ2021リーグ戦 NTTドコモレッドハリケーンズ 対 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

NTTドコモの二列目、三列目の布陣を見ると、言ってはなんですがガチで勝ちに行くことはちょっとあきらめているかもしれないというような印象です。ローテーションもあるでしょうが、神戸製鋼相手にこのサイズ感で対抗するのはちょっと厳しそうですかね。リザーブにも今まで起用していないような選手を多く入れて、プレーオフに備えようという意図が見えます。3ファン・ヴィックはこのチームでは初登場。

神戸製鋼では、8ハッティングと14フレイザーが初登場。コンディションの事情もあったのかもしれませんが、このあたりの実力者に出番がなかったという事実がこのチームの層の厚さを示していますね。プレーオフへの備えという意味では同じでしょうが、そこまで大きなメンバー変更はありません。

 

トップリーグ2021リーグ戦 パナソニック ワイルドナイツ 対 ヤマハ発動機ジュビロ 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

パナソニックも稲垣、クルーズ、内田、松田、福岡はベンチスタートというローテーション。11梶、HOのリザーブ島根はおそらく今シーズン初登場かと。出ずっぱりで負担が大きい仕事をしているパークスとライリーのCTBコンビは勤続疲労はないんでしょうかね。まあ、この試合のあと2週間試合はありませんが。

一方のヤマハは4ヒュートレルはおそらく初戦以来の出場かと思います。このチームもある程度ローテーションは意識しているでしょうが、ヘル・ウヴェとクワッガ・スミスを休ませる余裕はないようです。15五郎丸はこの試合も先発で出場。ロングキックで陣地を取り返す仕事が重要になりそうですね。

 

トップリーグ2021リーグ戦 リコーブラックラムズ 対 日野レッドドルフィンズ 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

リコーは、先発、リザーブの入替はありますが、ここ数試合に出場しているメンバーが23名に入りました。前節TLデビューした13栗原が初先発です。前回駒沢(新リーグでのホストスタジアム)でのゲームだった神戸製鋼戦ではいいファイトが見られましたので、今回も熱いゲームを見せてくれるように思います。

一方の日野は、前節は感染者発生のため中止でした。先週発表されたメンバーの中に入っていましたが、12デブラシーニと15カカは怪我から復帰ですね。彼らの起用によりアタックのバリエーションは増えると思いますが、FWの外国籍選手がちょっと薄くなっているので、FWの争いでリコーに圧されないよう注意が必要でしょうね。

 

トップリーグ2021リーグ戦 Honda HEAT 対 三菱重工相模原ダイナボアーズ 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

Hondaは、HOに3試合出場停止だった呉季依典が戻ってきて、SOにおそらく今季初だと思いますが同じ名前の呉洸太が入ります。リザーブのPRに2021年新卒の大山が入りました。三菱重工の右PRのリザーブに同じく慶応出身の細田が入っていますので、後半にスクラムを組む機会があるかもしれません。残念ながらあまり見せ場もなく、リーグの最終節を迎えてしまいましたが、一矢報いたいところです。

三菱重工は、前節とほぼ同じ布陣。攻められるシーンは前節よりは少ないと想像されますので、ディシプリンを保ちながら余計な失点を与えずにいけば今季2勝目が見えてくると思います。

山田晃仁 MLRへ

先行した報道もありましたが、NTTコムのWTB山田がアメリMLRシアトルシーウルブズでプレーすることが発表されました。

www.ntt.com

 

「派遣について合意」とのことですので、おそらく籍はNTTコムに残るということなのでしょう。

しばらく前からWikipediaのシアトルシーウルブズのページや、アメリカのラグビーサイトでは、山田の名前はスコッドに入っていましたので、現地では確定事項のような情報が出ていたのでしょうね。

このチームは過去2シーズン(昨シーズンはコロナ禍で中止)優勝したチームですが、今シーズンは2連敗のスタート。

MLRは技術的にレベルが高い選手はTLの方が多いでしょうが、フィジカルのレベルは高いと思われます。

今シーズンNTTコムでの出番はありませんでしたが、新天地でまだまだ現役であるところを見せてほしいと思います。