10月26日、「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022」の大会概要が発表されました。
なお、ラグビーリパブリックでこのリーグを「リーグワン」と呼んでいるので、当ブログでも今後倣うことにします。まあ、略称はこれが一番しっくり来るでしょうね。
【10月4日発表時点で、プレーオフトーナメントおよび入替戦はポストシーズンとして区分していましたが、「レギュラーシーズン」に変更】という?な変更もあるものの、基本的には以前にもアナウンスされていた内容ですが、選手のカテゴリ区分の変更という大きな改定がありました。
従来のTLの国籍基準とは違い、日本代表選出資格を基準にあらためてカテゴリ分けされた、ということになります。
意図としてはわかりますが、「資格あり」の選手をどのように判定するかが少々疑問です。
WRが居住実態の厳格化を進めているようですので、日本に居住して国内チームでプレーし続けているものの母国に帰国していた期間が長くて結局代表には選出できない、というようなことがないように基準を明確化してほしいと思います。
公になっていないだけですでに基準はあるのかもしれませんが、チームによって運用があいまいだと後々揉めそうな気がします。
また、どうもアジア枠はなくなったようですね。
さて、ワイルドナイツを例に考えてみると、直近のワラビーズ戦にも日本代表として出場していたミラー、ガンター、コーネルセン、ライリーはカテゴリAの枠で出場可能。他国代表歴のあるクルーズ(イングランド)、パークス(ウェールズ)、そして新シーズン加入するコロインベテ(豪州)、そしてもう1枠外国籍の選手を同時に起用できるということになります。
やや極端な起用例かもしれませんが、新ルールではこのチームがかなり有利なような気がします。
この新ルール、引っ張ってこのタイミングでの発表になりましたが、各チームには事前に周知されているのでしょうかね。
出場できる戦力へのインパクトがかなり大きく、いまさら言うなよという声があがらないか、ちょっと心配ではあります。
非日本代表資格選手の出場枠は、TLでは5名(外国籍2名+特別枠3名)でしたから純減になるわけで、新ルールを前提にチームづくりをしていなければ影響は大きいはずです。
高校・大学から日本でプレーしていて、5年居住以上の留学生出身選手の出場機会は多くなりそうですが。
海外出身選手がすべてというわけではないですが、パワーやサイズの面では、選手の構成によってTL時代を上回るチームとそうでないチームに分かれそうなのがちょっとなあという気はします。
すでに他国代表の経験があり、日本代表選手になる資格のない選手に関しては外国籍選手とする、という扱いがどうなったのかも気になります。
この扱いは2016年度シーズン開幕前に決まり、その後に日本国籍を取得したロスアイザック、ヘンリーブラッキン、ボークコリン雷神の3選手がラグビー協会に嘆願書を出していました。2020年度シーズンでは規約は変わりませんでしたが。
ロスアイザックは残念ながら年齢的に引退が近く、残りの2名は東京オリンピックのセブンズに日本代表で出場しましたので、カテゴリAで問題ないはずです。
だからといってこのような立場の選手に配慮が不要というわけではなく、年齢的には大ベテランになるもののルール改定前に日本国籍を取得した元他国代表選手(TLでは日本選手扱い)は若干名現役でいるはずです。そういう選手はどのような扱いになるのでしょうかね。
結論として、今般のルール改定では日本出身の選手も身体強化、自らの強みのブラッシュアップを図らないと出場機会を得ることが難しくなると思いますので、方向性としては理解します。
しかし、チーム間の戦力バランスへの影響がかなりあるのは確かだと思います。