10月29日(土)に国立競技場で行われた日本代表対ニュージーランド代表は、31対38で日本代表が敗れました。
入場者数は65,188名。国立競技場の1試合の入場者数としては新記録、WC以外では国内で開催した日本代表戦の歴代最多入場者数、だそうです。
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さて、当たり前と言えば当たり前のことですが、試合の結果は何を基準に置くかによって受け取り方がだいぶ変わるようには思います。
WCの対戦では145点を喫したことも過去にはあったわけで、直近の対戦である4年前でもこの試合よりも本気度が落ちるメンバーに対して大量失点を食らっていたわけです。
それと比べれば明らかに競った勝負ができるようになったといえます。
オーストラリアAとの3戦目で48点取られたディフェンス面も、2週間の準備でだいぶ整っていた印象は受けました。
あっさりと失点するシーンもありましたが、接点の争いではそれほど不利な状況にはなっていなかったように感じました。
ただ、大差をつけられることもなかったものの、常に先行される展開で最後まで勝てそうな雰囲気は皆無に近かったのも確かだと思います。
最後4点差であわや逆転というシーンはつくったものの、実際は自陣からキックなしで攻め続けないといけない状況で、逆転できそうな雰囲気は画面からは正直なところ伝わってこなかったですね。
一方のオールブラックス。このチームでの経験が乏しい選手も多く、連携面が熟成されていないためか、かなりバタバタした印象を受けました。
オールブラックスはこの試合の後、渡欧してウェールズ、スコットランド、イングランドと3連戦を行いますが、同じ週にあったスコットランドと豪州の試合を見る限り、仮にこの日のオールブラックスの面子で、この出来であれば、ウェールズやスコットランドと相対したとき厳しいのではないかという予想は立ちます。イングランドは言うまでもなく。
実際は、メンバーを本番に入れ替えて、ネジを巻きなおすと思いますので、その想定どおりにはならないのでしょうが。
この日のメンバーのなかでは比較的いい動きを見せていたように思えたCTBコンビ、トゥイヴァサ=シェックとエノーはオールブラックスVX行きのようです。この日リザーブから登場のLOトゥイプロトゥと、出番がなかったFBマッケンジーも同じく。
CTBに関してはメンバー外にしておくよりはプレータイムを与えたいという意図もあると思いますので、完全な構想外というわけではないのでしょうが、HCの構想ではピカピカの一軍とは言い難い選手を起用していた、ということです。
過去の歴史との比較において、現在の到達点に感慨を新たにするのも意義のあることだとは思います。
しかし、現在のオールブラックスは世界最強とは程遠い調子で、来年ベスト8の枠を争いそうなライバルはこのオールブラックスにはおそらく勝つのだろうなぐらいに思ってチャレンジャーの立場でいた方が、精神衛生上よいような気はします。