代表予備軍の強化について

ラグビーには正規の代表と別に、代表予備軍的なA代表というチームが不定期に結成されますが、6月下旬から7月にかけていくつかの代表チームで活動がありました。
アルゼンチンは、伝統的にVXという言い方をしていますね。

・イタリアA
    南アフリカツアー(ナミビア、カリーカップ選抜)

・アルゼンチンVX
    欧州ツアー(ジョージアポルトガル

・オーストラリアA
    パシフィックネイションズカップサモア、フィジー、トンガ)
 
NZのマオリオールブラックスは、NZに遠征中のアイルランドと2試合対戦しました。
純粋にはA代表という位置づけではないですが、オールブラックスの将来候補生という意味では近いものがありますね。

スコットランドA代表という位置づけでチリと対戦しています。こちらはアルゼンチン3連戦も含めた南米遠征メンバーによる一試合なので別動隊の強化ではないですが。
 
また、中長期の代表選手育成と考えれば、この夏にU20の二つのコンペティションが行われました。
 
シックスネイションズ U20 サマーシリーズ
 イングランドウェールズスコットランドアイルランド、フランス、イタリア
オセアニアラグビーU20チャンピオンシップ
 (ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン、フィジー
 
日本は、A代表とU20のいずれの動きからも蚊帳の外であったのが少々さびしいところです。
この夏、代表の正規メンバーとは別にNDSとして強化合宿し試合も行っているのでA代表的な動きとも言えると思います。ただ、試合を並行して行ったわけではなく、総試合数が増えたわけではないですね。

先日リーグワンの振り返りとしてアジア枠について書きましたが、地理的に近いところで実力が近い国があればマッチメイクがしやすくなるので、香港や韓国の成長に力を貸すことは日本に還元されてくるでしょう。

パシフィックネイションズカップにおける豪州のように、他チームとの間に実力差がある対抗戦の場合にA代表が用いられることは割とあります。その気にさえなれば、日本のA代表が参加するアジア版トライネイションズはすぐに実現できる話だと思うのですが。
NDSA代表と置き換えれば、現状は両国と差がありそうですが、リーグワンにアジア枠を再設定してプレーする香港代表、韓国代表クラスが増えれば、景色は違ってくると思います。

一方大学レベルでは、香港の大学ラグビーの実力はよくわかりませんが、韓国と日本の大学生選手とはおそらくさほどの実力差はないはず。国内の公式戦の時期を外せば、U20でも意義のある大会が開催できると思うんですけどね。
もちろんパシフィックに視野を広げた開催も有意義ですが、東アジア域内であればより実現しやすいはずです。
 
現状のようにティア1の方だけ見ているのは、正直地に足がついていない振る舞いと感じます。
中長期をより意識して近隣との共存共栄に向けた強化に取り組むべきだろうと思います。