日本 VS アルゼンチン 試合所感

日本の4戦目、ナントでのアルゼンチンとの試合は27対39のスコアで日本が敗れました。
日本代表のワールドカップフランス大会の戦いはこれで幕を閉じました。

アルゼンチンは第2戦目のサモア戦に近い戦い方、すなわち敵陣でプレーする時間を長くしつつ、強力なFWを有効活用するような、より堅実な戦い方をしてくるかと予想していましたが、予想以上にBKに広くボールを展開するプレーを多く選択してきた印象です。
元からそういう狙いがあったのか、あるいは試合開始早々に簡単にトライが取れたことで日本のディフェンスが崩しやすいと判断したのかはわかりません。
ただ、結果的に日本のほうも自分たちの持ち味を出しやすい展開にはなったように思います。

母国のファンの期待というプレッシャーを相当感じていたこともあろうかと思われますが、アルゼンチンもハンドリングエラーやキックミスなど比較的安易なミスが多く、満足できる試合とは感じていないと思います。
しかし、日本がハイボールの処理が不得手である、BKのディフェンスが固くない、というプレーの特徴はスカウティングできていたと思われますので、試合の勝負どころでそこを的確に突いてきたことがスコアの差につながりました。
残りの20分の勝負の時間帯において、リザーブも含めた選手層の差も勝敗を分けました。これもあらかじめわかってはいたことです。

アルゼンチンのほうが、代表やクラブレベルでハイレベルな試合を経験している選手が多く、難しい時間帯の対処の仕方を知っていた感があります。
失点はしてもすぐに取り返し、逆転は許さないようゲームをコントロールしたあたりが、チーム力の差というものだと思います。
 
スコアが行き来する競った試合になりましたし、エンターテイメント性も十分あった試合だったとは思うものの、両者の力量の差も明確に感じられた試合だったように感じます。
試合後の日本代表選手の顔はおおむね清々しい感じでしたが、自分たちの力はすべて出し切ったが相手のほうが上だったということを素直に感じたからだと思います。
 
国内のウォームアップマッチのころの惨状を考えると、実戦のなかでチームの綻びを修正しチーム力を向上させてベスト8にもう少しで手が届くところまでよく持ってきた、というのが率直な感想です。
たらればをいえばもう少し望ましい結果もありえたのかもしれませんが、それを強調しすぎるのはスポーツ的な見方ではないでしょう。
 
2大会連続のベスト8には届かなかったものの、2015年大会から積み重ねてきた評価や実績を損なうことにはならなかったと思います。
日本代表関係者の奮闘を称えたいですね。
 
日本代表活動に関する総括は別に書きたいと思います。