決勝・3位決定戦 所感

遅くなりましたが、フランス大会のラスト2試合、決勝と3位決定戦を振り返ります。
 
イングランド  26  VS  23  アルゼンチン
 
時系列で10月27日現地時間21時KOの3位決定戦から。
プールステージの初戦と同じ組み合わせとなった3位決定戦。アルゼンチンは前回のフランス大会、2007年のときもホスト国フランスと開幕戦、3位決定戦を戦いました。その巡り合わせであれば勝てるはずでしたが、結果も同じにはなりませんでした。
イングランドは、3位決定戦らしいといえばそうですが、若手を中心に準決勝から大幅に入れ替えてきました。代表引退を表明しているロウズは出るのではと先日書きましたが出場しませんでした。同じく最後と言っていたSHヤングスは先発しました。
一方のアルゼンチンは、選手の入替は最低限でした。チェイカ氏はかなり保守的な人なのでしょう。
試合のほうは、試合序盤でアルゼンチンのディフェンスの精度が今一つで、あっさり13点を先に失点したのが最後に響いたという印象。アルゼンチンは試合の入りが悪いのが大会7試合目でも改善されませんでしたね。
選手も大部分を固定して戦い、チリ戦にしか登場しなかった選手も多いですが、もう少しうまい起用の仕方があったのではないかというように思います。色々と噛み合っていない部分もありながらここまで来たのは、運が味方した部分もありますが、局面を打開する選手の個人能力の高さという点はあると思います。
終盤のSOサンチェスがペナルティを狙ったシーンはタッチに出してからモールでトライを狙うのではと思いましたが、ちょっと判断が消極的だった印象ですね。
イングランドは試合後にWTBデイリーも代表引退を表明。そういう事情もあったでしょうが、3位決定戦にありがちなだれた感じは少なく、最後まで勝敗の興味をつないだ試合になりました。
 
 
そして、10月28日現地時間21時KOの決勝戦。場所は前日の3位決定戦と同じスタッド・ドゥ・フランス。
最終スコアは12対11となったわけですが、ファイナルでこのロースコアな展開は想定していませんでした。
南アフリカは、試合序盤で本職一人体制のHOでンボナンビが負傷で離脱した影響は小さくなかったように思います。本来はバックローであるフーリーも代わって登場してから、フィールドプレーやスクラムでは非常に奮闘していた印象ですが、ラインアウトスローはNZに圧力をかけられて苦戦しました。南アがマイボールラインアウトをもっとうまく確保できていたら、試合の展開もちょっと違ったでしょうね。
スコアが象徴するように、両チームともアタックというよりもディフェンスで見せ場を多い試合になりました。NZのケイン、南アのコリシの両キャプテンなど計4枚のカード、特にケインはレッドが出るなど、ファイナルは80分間15名ずつで見たいところでしたが、人数が減ってもディフェンスが緩慢になった印象もないので、双方際立った集中を見せました。派手なアタックとは無縁でしたが、これもラグビーですね。
たらればを言えば、普段だったら決めていそうなキックをモウンガ、ジョーディ・バレットが外したのはNZとしては痛かった。ファイナルの重圧ということなのでしょう。
南アについては同じような感想を前の試合でも述べました。ノックアウトステージに入ってから3試合連続の1点差勝利。アタックにも見どころがあるチームでしたが、最終的にはディフェンスが強いチームが勝つべくして勝ったということかもしれません。