トップリーグ2021 プレーオフトーナメント 準決勝 登録選手所感

準決勝の2試合。いずれも花園開催ですが、関西拠点のチームは姿を消してしまいましたね。

 

第58回日本ラグビーフットボール選手権大会 兼 トップリーグ2021プレーオフトーナメント トヨタ自動車ヴェルブリッツ 対 パナソニック ワイルドナイツ 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト

毎試合注目となるトヨタの豪華外国籍選手3名の起用については、8リード、15ルルーの先発、FLフーパーのリザーブとなりました。パナソニックの得意とするカウンターに備えてルルーを最後尾に置いておきたいという意図はあるでしょうね。

先週主戦のLOアラダイスが怪我をしたためでしょうが、ホロウェイが5番の位置で久々に登場。全体的に高さがやや苦しくなったので、ラインアウトジャンパーの一人としてリードを先発起用したという狙いもあるように思います。

パナのBKによるカウンターは鋭いですが、トヨタのBKもチャンスを確実に形にする力はあるので、FWがいかに優位を保つかという点がトヨタの勝利へのポイントでしょうね。ルルーに加えて、10クロニエもかなり長いキックを蹴れるため、基本的に陣地を重視した戦い方をすると思います。

パナはほぼ先週と同じですが、梶が14の位置で先発。

基本的にブレイクダウンに人数をかけず、ディフェンスラインを崩さないことを重視する戦い方をしてきていますが、その点はトヨタ側もかなり研究しているはず。パナもどこかでブレイクダウンに参加する人数を増やして積極的にターンオーバーを狙う戦い方に切り替える局面もあるような気がしています。

トヨタはリーグ戦の平均失点が26.6点で、ベスト4に残ったチームでは最も多く、唯一の20点超。一方のパナは最少の10.9点。トヨタが今まで同じペースで失点していたら勝ち目はないでしょうが、ロースコアの展開になれば面白くなります。

 

第58回日本ラグビーフットボール選手権大会 兼 トップリーグ2021プレーオフトーナメント サントリーサンゴリアス 対 クボタスピアーズ 出場選手一覧|ジャパンラグビートップリーグ公式サイト
クボタでは、前の試合で危険タックルで退場したSOフォーリーが出場停止。もっともこの措置は前の試合が終わった時点で想像できたことでしょうから、その前提でこの試合の準備はしてきたのではないかと思います。

そのSOの位置にはCTBで出場していた立川を配置。フォーリーの退場後にSOの役割を担っていましたから、一つの解決策でしょうね。12の位置に経験豊富なクロッティが入りますので、噛み合えばサントリーにとっても脅威になると思います。先週体調不良で不在だったSH井上は先発に復帰。リザーブのBKは2名だけで、23にFLマキシを入れています。とことん強みのフィジカルバトルを挑んで優位に立ちたい狙いが見えますね。

一方のサントリーは、準々決勝は不戦勝でしたので、ほかのチームより1試合消化が少ない状況。身体的にはフレッシュでしょうが、試合勘の問題はやや懸念されます。破壊力のあるCTBケレビは不在ですね。

サントリーのリーグ戦での平均得点は、他チームを引き離して最多の60.0点ですが、FW戦で優位に立って、SOバレットなどが自由に動ける状況が多かったことによるもの。ボールを自由に持てれば、俊足揃いのBKは威力を発揮するでしょうが、FWが劣勢に立たされるようだと、タックルがあまり得意でないBKも多いので苦しくなるかもしれません。

リーグ戦ではサントリーが7点差で勝利しましたが、そのときの対戦よりもクボタが上回るだけの要素は多いような気がしています。