日本代表 VS トンガ代表 試合所感

7月29日(土)に花園ラグビー場で行われた日本代表とトンガ代表の試合は、21対16で日本代表が勝利しました。今年の初勝利です。

先日、この試合を正念場の試合と書きました。最低限の目標はクリアできたとはいえます。
今年初めて勝てたことの意義はありますが、内容的にはそこまで改善されたとはいえないところです。目標をどこに置くかによりますけれども。

試合後の日本代表の一部の選手たちの、はしゃぐかのような笑顔に少々違和感を覚えました。
今まで勝ててなかったわけなので、勝って喜ぶ心情はもちろん理解はできるのですが、まるで優勝したかのような態度がどうにも。それだけ未勝利の状態に重圧を感じていたということなのでしょう。
ベスト4とか優勝とかを目標として公言しているチームの試合内容とはとても思えず、それで喜んでいてはと思うのですが、その目標はいつのまにか放棄してしまったのでしょうかね。

ラグビーをやるうえで7月の国内の気温湿度が厳しいことは、マッチメイクの時点で想定できたこと。だから、昼間の試合を避けてナイターゲームが設定されたわけで、短い日本滞在で、高温多湿な環境に不慣れなアイランダーのチームが体力的に厳しく、プレーの精度が低いだろうことも当然想定できるはず。
その相手に自国で長期合宿中のチームが同じようなレベルの試合をしているようではマズイ、という感覚はないものか。
 
9月、10月のフランスの気候を考えると、ボールや選手が激しく動くようなゲーム展開が予想されるわけです。
それを踏まえて、目標から逆算した形の強化プランニングが順調に遂行されているとは、今までのところとても考えにくいというのが正直な感想です。

トライを取れるようになっただけチームの成熟が見られたとも言えなくはないですが、セットプレーからの用意されたプレーや相手のミスに乗じたときでないと崩せないのでは、対戦相手や目指すべき目標を考えると進捗率が苦しすぎるのではないかと。

同時期に南半球で行われているゲームの密度と比較すると、季節の違いも大きいとはいえ、同じ競技とはとても思えない。
日本代表も大会本番までの残り期間で成熟度を上げていくのは間違いないでしょうが、対戦相手にも同じだけの時間が流れますからね。

体力的なこともあってトンガがあまり複雑なアタックが仕掛けられない状況とはいえ、ディフェンスラインはあまり崩されませんでした。相手の重いアタックにもある程度は持ちこたえられた。

選手が言うように、方向は間違っていないのかもしれません。道をまっすぐ進めばいつか目指すべきところにたどり着けるのかもしれません。
しかし、パーティーの開催には間に合わないかもしれない、という考えは持っておいたほうがいいと思います。